メドウフェスクとトールフェスクは大型のサテライト染色体を持つ

タイトル メドウフェスクとトールフェスクは大型のサテライト染色体を持つ
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2013
研究担当者 秋山征夫
山田-秋山仁美
木村健智
久保田明人
藤森雅博
上山泰史
発行年度 2013
要約 メドウフェスクとトールフェスクにおいては、同一個体内でも染色体数の変動が観察される。45S rDNAのプローブを用いたFISH法により、変動要因であるサテライト染色体を検出できる。
キーワード サテライト染色体、フェスク、フェストロリウム、FISH、rDNA
背景・ねらい 染色体数はフェストロリウムなどの牧草品種の遺伝的安定性に密接に関係するため、正確な染色体数を把握することは育種において重要である。二倍体およびコルヒチンで倍加した四倍体メドウフェスク(2n=2x=14、2n=4x=28)、六倍体トールフェスク(2n=6x=42)において、同一個体の染色体標本間でも、比較的小さな染色体(余剰染色体)が存在し染色体数の変動が観察される場合がある。これらの余剰染色体は、遺伝的に不要、かつメンデルの遺伝法則に則らない不規則な遺伝性を示すB染色体、または1本の染色体から仁形成部位(NOR)で分離したサテライト染色体である可能性が考えられる。NORは45S rDNAの反復配列が豊富であるため、45S rDNAをプローブに用いて蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)解析を行うことにより、検出することが可能である。そこで本研究は、メドウフェスクとトールフェスクにおける余剰染色体がB染色体、またはサテライト染色体のいずれであるかについて、FISH解析によって明らかにすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 45S rDNAをプローブに用いたFISH解析により、二倍体および四倍体メドウフェスク、六倍体トールフェスクの余剰染色体が観察されない標本には、倍数性に比例して2、4、そして6個のNORがそれぞれ検出される(図1)。
  2. 余剰染色体が観察される標本では、長い染色体と余剰染色体の間をつなぐように、45S rDNAの蛍光が線状に観察される場合がある(図2)。
  3. 余剰染色体はB染色体ではなく、NORで分離したサテライト染色体である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ライグラス類、フェスク類との交雑雑種であるフェストロリウムにおいては、異数体が存在するだけではなく、異常な染色体組換え、染色体断片の転座または挿入によって染色体構造が変異することがある。そのため、染色体構造変異により生じた小型の染色体とサテライト染色体を、染色体形態の観察のみから判別することは困難である。
  2. 45S rDNAのFISH解析でサテライト染色体を識別することにより、フェストロリウムの染色体数を正確に数えることができる。45SrDNAの代わりに、染色体末端に特異的に存在するテロメア配列をプローブに使ってもよい。
  3. 正確に染色体数をカウントする際には、5核板程度の観察が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027471
カテゴリ 育種 品種

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