高刈りがとうもろこしホールクロップサイレージの飼料特性に及ぼす効果

タイトル 高刈りがとうもろこしホールクロップサイレージの飼料特性に及ぼす効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2013
研究担当者 青木康浩
大下友子
滑川拓朗
根本英子
青木真理
発行年度 2013
要約 黄熟後期の飼料用とうもろこしを高刈りすると、通常刈りに比べて乾物率が増え、繊維含量が減り、繊維の消化率が高まり、栄養価は向上する。収量の損失は黄熟前期に比べ著しく小さい。硝酸態窒素は少なく、発酵品質、好気的安定性に負の影響はない。
キーワード 飼料用とうもろこし、高刈り、飼料成分、消化率、栄養価
背景・ねらい 飼料自給率を向上させる上で、とうもろこしホールクロップサイレージ(CS)の栄養価を高めることは有効である。収穫時の刈り高を通常より高めると、CS材料に占める子実の割合が高まるとともに、茎の下部に多い消化されにくい繊維成分の混入が少なくなるので、高栄養CSを得る上で効果的と考えられる。しかしながら収量の減少が懸念され、また発酵品質や好気的安定性に及ぼす影響は知られてない。そこで収穫適期である黄熟後期での高刈りがCSの飼料特性に及ぼす影響を黄熟前期収穫の場合と比較して明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 黄熟後期(品種39M48:82日タイプ)および前期(品種39T45:90日タイプ)に到達した材料を同じ日に通常(30cm)またはハーベスタの最大の刈り高(78cm)で収穫し調製したサイレージでは、両時期とも高刈りにより乾物率が増加し繊維含量が減少する。黄熟後期のデンプン含量は、刈り高で異ならないものの、充分高い(図2)。
  2. 高刈りによって繊維消化率が改善され、このことが乾物消化率さらには可消化養分総量(TDN)含量の増加に寄与すると推察される(図2)
  3. 収量は高刈りにより減少するが、その程度は雌穂の充実した黄熟後期では黄熟前期に比べて小さく、TDN収量は通常刈りよりわずかに少ないだけとなる(表1)。
  4. 硝酸態窒素含量は、多くなりやすい黄熟前期でも高刈りにより減少する。発酵品質は刈り高に大きな影響を受けず、いずれも良質を示す範囲内である。好気的安定性にも高刈りによる負の影響は認められない(表2)。
  5. 以上のように、黄熟後期における高刈りは、栄養価の改善だけでなく収量の損失も抑えられること、硝酸態窒素、発酵品質や好気的安定性といった牛の嗜好性や給与管理に関わる特性にも問題のないことから、有用であることが示される。
成果の活用面・留意点
  1. CSを収穫・調製する農家、コントラクター、TMRセンターにおいて活用できる。また販売・流通を視野に入れた高栄養CS生産の場面で有用な情報となる。
  2. 対照となる通常刈りでも、土壌の混入を避けるため一般的な刈り高(10~15cm)より高く設定して得られた成果である。また同一品種について収穫時期による差を検討したものではない。これらの検討条件により結果の異なる可能性がある。
  3. 実際の給与に際しては、給与飼料中のデンプン含量の過剰や繊維の不足といった栄養の著しい過不足が生じないように、飼料設計に留意する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027456
カテゴリ コントラクター 飼料設計 飼料用作物 とうもろこし 品種

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