タイトル |
貯蔵後の品質に優れる短節間性カボチャ新品種「ジェジェJ」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究課題名 |
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研究期間 |
2010~2013 |
研究担当者 |
杉山慶太
嘉見大助
室 崇人
渡邉春彦
勝又雅彦
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発行年度 |
2013 |
要約 |
カボチャ「ジェジェJ」は、2~3ヶ月の貯蔵(10°C)後においても品質が優れ、端境期(12~5月)出荷が可能な多収のF1品種である。短節間性を有するため省力栽培が可能である。
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キーワード |
カボチャ、貯蔵性、短節間、多収、高粉質
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背景・ねらい |
国産カボチャの周年供給への要望は強いが、これまで端境期におけるカボチャの生産・出荷が困難であった。そこで、周年供給を容易にするため、省力栽培に適する短節間形質を有して収量性が高く、貯蔵後も品質が優れる品種の育成を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 「ジェジェJ」は、株式会社渡辺採種場が開発したつる性で高貯蔵性の「LOH」を種子親とし、北海道農業研究センターが開発した短節間性の「北海6号」を花粉親とするF1品種である(図1)。
- 生育初期において主枝(つる)は節間が詰まり、短節間性を示す。しかし、生育中期以降は徐々に節間が伸長してつる性となる。側枝の発生数は、「えびす」に比べて少ない。短節間で側枝が少なく株元に着果しやすいことから、整枝・誘引、収穫作業の省力化が図られ、密植栽培が可能である。雄花の開花時期は「えびす」と同じで、雌花の開花時期は「えびす」よりやや遅い(表1)。
- 果形は扁円形である。収穫直後の果皮の地色は濃緑で緑色のすじの模様がある(図2)。果実重量は2.0kg程度で「えびす」とほぼ同じ大きさである。総収量、規格内収量は「えびす」、「雪化粧」以上であり、多収である(表2)。
- 貯蔵2ヶ月後(10°C)の腐敗果率は「えびす」、「雪化粧」より小さい。3ヶ月後では「雪化粧」より劣るが、「えびす」と同等以上である。
- 貯蔵3ヶ月後における果皮色は「えびす」よりも緑色が濃く、果肉色は赤味が強まり橙黄~橙になる。肉質は粉質性が強く、乾物率およびBrixは「えびす」より高く、「雪化粧」と同等である(表2、図2右)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本州、九州地域等の端境期出荷に向けた抑制栽培、北海道などの春播き露地栽培に適する。
- 密植栽培(畝幅150~200cm、株間50~60cm。または、畝幅300cm株間50cm2条植え)に適する。
- 着果後は葉の枯れ上がりによる日焼けが生じやすい。
- 貯蔵2ヶ月以降は腐敗果が発生しやすい。
- 種子は株式会社渡辺採種場から販売予定である。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027452 |
カテゴリ |
かぼちゃ
出荷調整
省力化
新品種
品種
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