酸化クロム共存条件における牛糞試料中酸化チタンの比色定量法

タイトル 酸化クロム共存条件における牛糞試料中酸化チタンの比色定量法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2010~2013
研究担当者 大森英之
野中最子
大谷文博
田島清
川島知之
梶雄次
寺田文典
発行年度 2013
要約 新たな牛糞試料中酸化チタンの比色定量法(改良乾式灰化法)により、酸化クロム共存条件においても牛糞試料中酸化チタンを精度良く定量できる。本法は湿式灰化法に比べ、安価な実験用ホットプレートで前処理ができ、廃液に銅を含まない利点がある。
キーワード 酸化チタン、酸化クロム、指標物質、比色定量法
背景・ねらい 酸化クロム(Cr2O3)は、反芻家畜の消化試験における指標物質として一般的に用いられるが、分析時に有害な六価クロムが生ずる。酸化チタン(TiO2)は指標物質としてCr2O3に類似した性質を持ち、代替として有望であるが、同等性に関する検討は不十分である。
TiO2は通常、乾式灰化法もしくは湿式灰化法により比色定量する。乾式灰化法は、安価な実験用ホットプレートで前処理できる利点があるが、Cr2O3共存条件ではTiO2回収率が顕著に低下する問題がある。湿式灰化法は、前処理のケルダール分解に高価なブロックダイジェスタを必要とし、銅を含む廃液が生ずる欠点がある。そこで、乾式灰化法を改良し、Cr2O3共存条件における牛糞試料中TiO2の比色定量法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. Cr2O3が共存しない条件で試料中のTiO2を精度よく定量できる添加量である0.75g Na2SO4条件(硫酸5mLあたり)と、湿式灰化法でのケルダール分解における分解促進剤添加量に相当する2.5g Na2SO4条件(硫酸5mLあたり)を設定する。
  2. 0.75gNa2SO4条件では、Cr2O3を含む牛糞試料からは安定したTiO2回収率(%)が得られない。一方、2.5g Na2SO4条件では、95%以上のTiO2回収率が得られる(表1)。
  3. 0.75gNa2SO4条件では、牛糞試料へのCr2O3添加量の増加に伴いTiO2回収率(%)は低下する。一方、2.5gNa2SO4条件では、95%以上のTiO2回収率が得られる(表2)。
  4. 上記の結果から、2.5g Na2SO4条件を改良乾式灰化法とする。この改良乾式灰化法と湿式灰化法は、同等のTiO2回収率を示す(表3)。
  5. 改良乾式灰化法および湿式灰化法の分析手順は、表4に示すとおりである。改良乾式灰化法は湿式灰化法に比べ、安価な実験用ホットプレートで前処理ができ、廃液に銅を含まない利点がある。
成果の活用面・留意点
  1. 本法はCr2O3共存条件において牛糞試料中TiO2を精度良く定量可能であり、反芻家畜で両指標物質を同時投与する消化試験(同等性確認試験)の試料分析に適用できる。
  2. ホットプレートでの加熱は、安全のためドラフト内で行うこと。また、試料を取り扱う際には保護具を着用し、温度を十分に下げてから取り扱うこと。
  3. ホットプレートの実際の温度には機種間差があるので、硫酸が飛散せず、三角フラスコ内で循環するように設定温度を微調整すること。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027345
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