放射性セシウムを含む玄米配合飼料を給与したブタ体組織の放射性セシウム濃度

タイトル 放射性セシウムを含む玄米配合飼料を給与したブタ体組織の放射性セシウム濃度
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2011
研究担当者 大森英之
佐々木羊介
田島清
勝俣昌也
発行年度 2013
要約 暫定許容値未満の放射性セシウムを含む飼料用玄米を70%配合した飼料を体重約28kgの肥育前期豚に3週間給与すると、飼料中の放射性セシウムが体組織に移行する。その濃度は給与飼料中の濃度よりも低値を示し、筋肉で肝臓および消化管に比べて高い。
キーワード ブタ、放射性セシウム、体組織、飼料用玄米
背景・ねらい 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質落下により、土壌と自給飼料への放射性物質の移行が懸念される。飼料から畜産物への放射性物質の移行係数に関しては、IAEAの報告書(2010)にまとめられている。しかし、放射性物質を含んだ飼料を給与したブタの体組織の放射性物質濃度については知見が少ない。そこで、暫定許容値未満の放射性セシウムを含む飼料用玄米をブタに給与し、体組織中の放射性セシウム濃度を調査する。
成果の内容・特徴
  1. 対照区及び試験区の飼料組成ならびに風乾物あたりの粗蛋白質含量は表1のとおりである。両区の飼料とも、日本飼養標準・豚(2013年版)の体重30から50kgにおける粗蛋白質要求量(風乾飼料中含量)を満たしている。対照区および試験区の3週間の日増体量(0.93および0.92kg/d)ならびに1日あたりの飼料摂取量(2.17および2.33kg/d)に有意差は認められない。
  2. 飼料原料ならびに給与飼料中の放射性セシウム濃度は表2のとおりである。試験区に配合した飼料用玄米中の放射性セシウム濃度は134Csが21Bq/kg、137Csが27Bq/kgである。一方、対照区に配合したトウモロコシ中の放射性セシウム濃度は検出下限値(分析における標準偏差の3倍の値)未満である。この飼料用玄米を70%配合した試験区飼料の放射性セシウム濃度は134Csが15Bq/kg、137Cs が20Bq/kgであり、対照区飼料の放射性セシウム濃度は検出下限値未満である。
  3. 各体組織中の放射性セシウム濃度(134Cs、137Cs、134Cs+137Cs)は表3のとおりである。検出下限値未満の試料については、検出下限値を用いて統計処理を行う。その結果、対照区の放射性セシウム濃度は筋肉、肝臓、消化管のいずれも定量下限値(分析における標準偏差の10倍の値)未満であり、試験区の放射性セシウム濃度は筋肉、肝臓、消化管のいずれも対照区に比べて高い(P<0.01)。
  4. 試験区において部位間の放射性セシウム濃度を比較すると(表3)、134Cs濃度は、筋肉において消化管よりも高い傾向(P<0.1)を示す。137Cs濃度は、筋肉において消化管よりも高く(P<0.01)、肝臓に比べて高い傾向(P<0.1)を示す。134Cs+137Cs濃度は、筋肉において消化管よりも高い(P<0.05)。
  5. アメリカ合衆国農務省(USDA)の食品成分データベースに示されているカリウム濃度の組織間順位は、本試験での放射性セシウム濃度の組織間順位と一致しており、カリウムと放射性セシウムの体内での動態は類似していると考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 暫定許容値未満の放射性セシウムを含む飼料を給与したブタの体組織の放射性セシウム濃度に関する基礎的知見として活用できる。
  2. 暫定許容値未満の放射性セシウムを含む玄米配合飼料を3週間連続して給与した試験結果である。
  3. 肥育前期豚を用いた試験結果である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027344
カテゴリ 飼料用作物 データベース とうもろこし

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