土着天敵タイリクヒメハナカメムシとギフアブラバチの生存に有効な植物

タイトル 土着天敵タイリクヒメハナカメムシとギフアブラバチの生存に有効な植物
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2009~2011
研究担当者 太田泉
武田光能
発行年度 2013
要約 タイリクヒメハナカメムシは、スィートアリッサム、ソバ、スカエボラ、コリアンダー、バーベナ、ディル、ホーリーバジルの花で寿命が延び、その効果は蜂蜜水溶液よりも高い。ギフアブラバチは、ソバ、スィートアリッサムの花などで生存期間が延びる。
キーワード タイリクヒメハナカメムシ、ギフアブラバチ、生存期間、花
背景・ねらい 天敵昆虫を効果的に利用する手法の一つとして、天敵の餌資源や隠れ場所となる植物をほ場の中や周辺に配置し、害虫に対する天敵の捕食寄生活動を保護・強化する方法がある。タイリクヒメハナカメムシはアザミウマ類の捕食性天敵として、また、ギフアブラバチはアブラムシ類の寄生性天敵として重要である。そこで、タイリクヒメハナカメムシとギフアブラバチに餌として各種植物の花や葉を与えた場合の生存期間を明らかにし、昆虫の室内飼育で餌として利用されることの多い蜂蜜を与えた場合と比較することにより、成虫の寿命を延ばす効果の高い植物を探索する。
成果の内容・特徴
  1. 天敵温存植物候補として試験事例のある植物の花や葉をタイリクヒメハナカメムシ成虫に与えると(図1)、餌や水を与えない場合と比較して生存期間が有意に延長する。特に、スィートアリッサム、ソバ、スカエボラ、コリアンダー、バーベナ、ディル、ホーリーバジルの花では約40日以上生存する。これは、花蜜に近い糖濃度の25%蜂蜜水溶液を与えた場合の生存期間よりも有意に長い(図2上)。
  2. ギフアブラバチ成虫は、ソバ、スィートアリッサム、ディル、コリアンダーの花やホーリーバジルの葉で、餌や水を与えない場合と比較して生存期間が有意に延びる。しかし、25%蜂蜜水溶液を与えた場合の生存期間よりも短い(図2下)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果で天敵の延命効果が確認された植物は、タイリクヒメハナカメムシやギフアブラバチを用いた生物的防除が想定されるピーマン、ナス等で利用できる。特に、施設ほ場は環境が安定しているため、天敵温存植物が栽培管理しやすい。
  2. タイリクヒメハナカメムシでは、動物質餌のスジコナマダラメイガ卵を与えた場合と比較すると、ソバの花を与えた場合の幼虫の羽化率は約1/2に、雌成虫の産卵数は1/4以下になる(データ省略)。そのため、成虫の延命効果の高かったソバなどの植物だけでは、タイリクヒメハナカメムシ個体群の増殖は難しいと推測される。
  3. 野外のシロツメクサやフレンチマリーゴールドにはアザミウマ類が発生し、それを捕食するために多くのヒメハナカメムシ類が集まる。そのため、上記植物以外でも餌となる昆虫が多く発生する植物であれば、タイリクヒメハナカメムシの捕食活動を保護・強化できる可能性がある。
  4. 天敵に対して延命効果のある植物は、害虫の増殖源となる場合もあるため、ほ場で利用する際には害虫の発生にも留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027320
カテゴリ カメムシ 害虫 コリアンダー 栽培技術 生物的防除 そば ディル 土着天敵 なす バジル バーベナ ピーマン マリーゴールド

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