茶園に設置されている誘蛾灯はゴミムシ類の種多様性把握にも利用できる

タイトル 茶園に設置されている誘蛾灯はゴミムシ類の種多様性把握にも利用できる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 豊島真吾
石島 力
佐藤安志
発行年度 2013
要約 茶園内に設置されている誘蛾灯は、ガ類などの害虫以外にも多様なゴミムシ類を誘引するので、茶園を含む農生態系におけるゴミムシ類の種多様性の把握に利用できる。
キーワード ゴミムシ類、誘蛾灯、ピットフォールトラップ、生物多様性
背景・ねらい 誘蛾灯は、ガ類など害虫の発生を確認するために水田や茶園などに設置されているが、ガ類害虫以外にも有用生物の捕食性ゴミムシ類なども誘引する。ゴミムシ類は環境条件の変化などを評価する指標生物としてその有効性が評価されているが、一般的に利用されるピットフォール(落とし穴)トラップによる調査では多様性を十分に把握できない場合がある。そこで、茶園に設置されている誘蛾灯がゴミムシ類の種多様性調査に有効か否かを評価する。
成果の内容・特徴
  1. 茶園の誘蛾灯(図1)には5月下旬から10月下旬までゴミムシ類(図2)が誘引され、ピットフォールトラップ(各試験区に3個設置)に捕獲されるゴミムシ類に比べて種数および個体数が多い(表1)。
  2. 誘蛾灯で得られる種多様度指数は、0.794(シンプソンの指数)または2.198(シャノン・ヴィナーの指数)となり、ピッフォールトラップによる指数よりも高い(表1)。
  3. 誘蛾灯で比較的多く捕獲される種は、ホシボシゴミムシ、ヒメケゴモクムシ、ゴミムシ、ウスアカクロゴモクムシ、ヒメツヤヒラタゴミムシ、トゲアシゴモクムシであり(図3)、ピットフォールトラップ調査の主要種構成(マルガタツヤヒラタゴミムシ、ヒメツヤヒラタゴミムシ、オオアトボシアオゴミムシが全体の90~100%を占める)よりも多様である。
成果の活用面・留意点
  1. 茶園を含む農生態系におけるゴミムシ類の種多様性を評価し、地域の多様性を比較する方法として利用できる。
  2. 捕獲されるゴミムシ類は正の走光性と飛翔性を有する種に限られるので、ピットフォールトラップ調査と併用して多様性情報を相互に補完することが望ましい。
  3. 図3および表1のデータは、捕虫器用蛍光灯(Panasonic FL20SBLK)を利用して誘引した静岡県島田市の茶園における事例。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027319
カテゴリ 害虫 水田

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