遮水シート溝式地下灌漑システムにおける給水時の水分動態

タイトル 遮水シート溝式地下灌漑システムにおける給水時の水分動態
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2012~2013
研究担当者 佐々木英和
岡田邦彦
島田信二
小野寺恒雄
平尾和弘
山口秀美
発行年度 2013
要約 淡色黒ボク土において、地下30cmに埋設した遮水シート溝式地下灌漑システムを用いて給水すると、給水管直上から水平距離50cmまでは速やかに水が移動し、75cm地点でもレタスの生育に十分な土壌水分を維持できる。
キーワード 地下灌漑、土壌水分、給水、レタス
背景・ねらい 露地野菜生産では、競争力強化や収益性向上、軽労化などが求められるなか、気象によって大きく左右され、しばしば、干ばつをはじめとする天候不順や異常気象による減収や品質低下が生じている。しかしながら、定植後に実施可能な栽培管理手段は限られている。水管理については、散水・定置パイプによる畑地用灌漑が、機械作業の障害となることから、設置や移動、撤去の労力が必要であり、十分に活用されていない。一方、地上部に給水管のない地下灌漑では、栽培体系の機械化が容易であるので、現在露地圃場に大型機械による施工ができる遮水シート溝式地下灌漑システム(OPSIS)の開発を進め、野菜栽培での活用を目指している。そこで、本システムの基本特性を解明するために、給水による水分動態とレタスの生育を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 開発した遮水シート溝式地下灌漑システムは、溝状にした遮水シートの上に防根シートで巻いた内径5cmのポリエチレン製有孔管を重ねて地下に埋設するものである(図1)。
  2. 給水開始24時間後には水平距離50cm地点までpF値が低下する(図2)。水平距離70cm地点はpF値の低下が遅れる。90cm地点では、pF値は一旦上昇し、給水開始48時間後から低下に転じるが、その低下は小さい(図2)。
  3. マルチ被覆のレタス栽培では、毎週給水を繰り返すと水平距離0~45cm地点では、給水時にpF1.7以下に低下し、給水を止めると上昇する。60~75cm地点は、給水を繰り返すと緩やかにpF値は低下し、1.9以下になる(図3)。
  4. レタスは、給水管からの水平距離0~75cm地点で出荷可能な結球重が得られたが、位置により生育差がみられ、45cm地点の結球重が最も重い(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 上記は、つくば市観音台にある野菜茶業研究所(つくば)の雨よけパイプハウス内の淡色黒ボク土壌での結果である。土壌の種類や給水量によって水分動態は異なり、レタスの生育差は変化する可能性がある。
  2. 本成果は、レタス品種「極早生シスコ」を2012年9月19日定植で白黒マルチ被覆栽培、9月25日以降毎週48.8L/m(降水量32.5mm相当、給水管両側75cm×給水管長16.4mとして換算)を2日間連続,あるいは97.6L/m(降水量65mm相当)を3ないし4日間連続で給水し、11月12日収穫調査した結果に基づくものである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027310
カテゴリ 機械化 軽労化 栽培技術 栽培体系 出荷調整 品種 水管理 野菜栽培 レタス

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