ペチュニア花弁における受粉によるオートファジーの誘導と栄養素の転流

タイトル ペチュニア花弁における受粉によるオートファジーの誘導と栄養素の転流
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 渋谷健市
仁木朋子
市村一雄
発行年度 2013
要約 ペチュニアの花弁では、受粉によって誘導されるエチレンを介してオートファジー(細胞の自食作用)関連遺伝子の発現量が上昇する。花弁老化時に誘導されるオートファジーは、花弁から子房への栄養素の転流に関与している。
キーワード 花弁老化、オートファジー、栄養素転流
背景・ねらい 受粉は多くの花きにおいて花弁の老化を促進する。花弁の老化は花弁細胞の死の過程であり、老化の進行には、液胞における自己の細胞質構成成分の分解機構であるオートファジーが重要な役割を果たしていることが示唆されている。また、受粉によって誘導される花弁の老化時には、花弁から子房へ栄養素が転流すると考えられている。そこで、ペチュニア花弁において、受粉によるオートファジーの誘導機構を解明し、さらに、花弁老化時の栄養素転流におけるオートファジーの役割を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 開花時に受粉したペチュニアでは、受粉後2日目から花弁の萎れが認められる。受粉後2日目の花弁柔細胞では、液胞内に細胞質由来の構造物を含む小胞が観察され、オートファジーが進行している(図1)。
  2. ペチュニア花弁からのエチレン生成量の増加は受粉によって促進される(図2)。オートファジー構造物の形成に必須なautophagy-related gene 8 (ATG8 )遺伝子のペチュニアホモログであるPhATG8a 遺伝子の発現量は、花弁からのエチレン生成量の増加に伴って増加する(図2)。エチレン作用阻害剤である1-MCPを処理した花では、受粉によるPhATG8a 遺伝子の発現上昇が顕著に遅延し、オートファジー様構造物の形成が抑制される(データ略)。
  3. 開花時に植物体から切り離して水に生け、受粉したペチュニアの花では、花弁の乾物重と窒素含量が減少し、子房では増加する(図3)。オートファジー阻害剤であるコンカナマイシンAを処理した花では、受粉後の子房における乾物重の増加が抑制される(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 花弁老化機構解明の基礎的知見となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027300
カテゴリ 受粉 ペチュニア

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