エチレン低生成カーネーションにおける老化関連遺伝子の発現調節

タイトル エチレン低生成カーネーションにおける老化関連遺伝子の発現調節
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2009~2012
研究担当者 棚瀬幸司
大津佐和子
佐藤茂
小野崎 隆
発行年度 2013
要約 エチレン低生成品種・系統間において花持ち期間に差が見られる。花持ち期間が比較的短いものでは、わずかなエチレン生成により老化関連遺伝子の発現が誘導され、老化が促進される。
キーワード カーネーション、花持ち、エチレン低生成、老化関連遺伝子
背景・ねらい カーネーションは典型的なエチレン感受性花きであり、エチレンにより花弁の老化が促進する。また、カーネーションの花弁では複数の老化関連遺伝子が単離されており、これらの発現はエチレン生成の上昇とともに高くなり、花弁の老化に関与していることが明らかとなっている。交配育種により得られたエチレン低生成品種・系統のうち花持ち期間が比較的短い系統では、わずかなエチレン生成が原因で老化関連遺伝子の発現が誘導され、老化が促進されることを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 対照品種の「ホワイトシム」(WS)に比べエチレン低生成品種・系統「ミラクルシンフォニー」(MS)および系統006-13、62-2は花持ちに優れ、観賞可能期間中の花全体からのエチレン生成量も少ない(表1、図1)。エチレン低生成品種・系統間において花持ち期間と老化時のエチレン生成量に差が見られ、わずかなエチレン生成が見られる006-13、62-2はチオ硫酸銀錯塩(STS)処理により花持ち期間が延長される。
  2. 花弁におけるエチレン生成は花全体のエチレン生成と同様に「ホワイトシム」では収穫5日目から上昇し6日後にピークに達する。006-13と62-2は収穫15日後にエチレン生成がわずかに上昇するが「ミラクルシンフォニー」ではエチレン生成の上昇は見られない(図2A)。エチレン生合成遺伝子DcACO1はエチレン生成と同様に「ホワイトシム」で収穫6日後に発現量が非常に高く、006-13と62-2では収穫15日後に高い(図2B)。
  3. 花弁における老化関連遺伝子、システインプロテアーゼ(DcCP1)およびガラクトシダーゼ(DcbGal)、グルタチオン-S-転移酵素(DcGST1)、リパーゼ(DcLip)の発現はエチレン生成とほぼ対応し、「ホワイトシム」では収穫6日後に最も高い(図2C-F)。006-13と62-2の花弁では収穫15日後にこれらの発現が上昇するが「ミラクルシンフォニー」では発現上昇はほとんど見られない。従って、エチレン低生成品種・系統のうち花持ち期間が比較的短い系統では、わずかなエチレン生成により老化関連遺伝子の発現が誘導され、老化が促進される。
成果の活用面・留意点
  1. カーネーションの花持ち性育種の基礎的な知見となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027298
カテゴリ 育種 カーネーション 品種

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