カーネーションの全ゲノム解読

タイトル カーネーションの全ゲノム解読
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2012~2013
研究担当者 八木雅史
山口博康
小杉俊一
田畑哲之
磯部祥子
平川英樹
白澤健太
小関良宏
宮原平
田中良和
中村典子
発行年度 2013
要約 カーネーション「フランセスコ」の全ゲノム解読から得られた総塩基長568.9メガ塩基対に相当するゲノムDNA配列の中には、43,266箇所の遺伝子領域が存在する。配列情報および遺伝子情報をデータベースにまとめ、公開している。
キーワード カーネーション、ゲノム、シーケンス、遺伝子、DNA
背景・ねらい カーネーションは世界の3大花きに数えられ、日本でも2番目に出荷本数の多い重要な花きである(3.1億本、2012年)。カーネーションには、花色等の観賞性の美しさに加え、花持ち性、病害抵抗性、生産性等重要な形質が存在する。これらの形質に関わる遺伝子単離を効率化し、ゲノム育種および遺伝子機能解析研究を加速するとともに、カーネーションの植物学的特性を明らかにするために、産学官の4機関(花き研、かずさDNA研、東京農工大、サントリーグローバルイノベーションセンター(株))が共同し、日本で生産量の多い赤色品種「フランセスコ」の全ゲノム情報を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 2種類の第2世代型シーケンサー(イルミナ社Hi-seq1000、ロシュ社GS FLX+)を用いて収集した376.6ギガ塩基対(Gbp)の配列をアセンブル(再構築)したDNA配列は、総塩基長568.9M(メガ)bpであり、推定ゲノムサイズ(622Mbp)の91%の領域に相当する。ContigN50サイズは16,644bp、ScaffoldN50サイズは60,737bpであり、ゲノム解読精度としては十分評価できる(表1)。
  2. アセンブルしたゲノム配列には、165Mbpに相当する繰り返し配列が存在し、クラス1(レトロトランスポゾン型)の転位因子93,924個、クラス2(DNA型トランスポゾン)の転位因子18,154個などが含まれる(表2)。
  3. 遺伝子予測の結果、今回解読されたゲノム配列上には43,266箇所の遺伝子領域が存在する。他の植物種との比較解析から、カーネーションの持つ遺伝子のほとんどが解読できたと推定される。その中には、アントシアニンなどの花色に関わる色素の合成遺伝子、花持ち性に関わるエチレン合成遺伝子、病害抵抗性に関わるNBS-LRR型遺伝子等、これまでカーネーションでは明らかになっていない多数の遺伝子が含まれる。
  4. 観賞用花きにおける全ゲノムの解読は初めてである。
  5. すべての配列情報および関連情報をデータベースにまとめ、かずさDNA研究所のホームページから公開している。アノテーション情報を基にしたキーワード検索およびBLAST検索が可能である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:大学、公立試験研究機関、種苗会社等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全世界における試験研究に普及予定。
  3. その他:全ゲノム解読により、花持ち性、病害抵抗性、生産性等重要形質の選抜マーカー開発が加速され、民間企業等によるカーネーション育種への利用が期待できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027290
カテゴリ 育種 カーネーション ゲノム育種 出荷調整 データベース 品種 病害抵抗性

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