長い塩基反復単位を持ち誤判定の少ないニホンナシの新規SSRマーカー

タイトル 長い塩基反復単位を持ち誤判定の少ないニホンナシの新規SSRマーカー
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2010~2013
研究担当者 山本俊哉
寺上伸吾
西谷千佳子
國久美由紀
清水徳朗
齋藤寿広
片寄裕一
成田知聡
発行年度 2013
要約 ニホンナシ「豊水」の次世代シーケンス解析から開発した4, 5, 10-14塩基反復単位を持つ合計120種類のSSRマーカーは、ナシの連鎖地図上に位置づけられる高精度DNAマーカーである。
キーワード ニホンナシ、SSRマーカー、連鎖地図、DNA品種識別
背景・ねらい 果樹は幼若期間が長く、播種から開花・結実までに長い期間を要するため、DNAマーカーを用いた実生個体の早期選抜は、広い圃場面積と長期間にわたる労力を軽減でき、非常に有用である。これまでにニホンナシにおいて、高精度DNAマーカーの開発や基盤となる標準連鎖地図の構築を進めてきたが、未だ十分な量と質の高精度マーカーは開発されていない。従来の2塩基反復単位のSSR (simple sequence repeat)マーカーでは、スタッターバンド(付随バンド)が生じやすく、品種識別などにおいて正確な遺伝子型決定が困難な場合があり、また従来の主要な方法である濃縮ゲノムライブラリー法では2塩基より長い反復単位をもつSSRマーカーの開発が困難である。 そこで、次世代シーケンス解析から得られた塩基配列情報を基に、4塩基、5塩基、10-14塩基の反復単位を持つ新しいSSRマーカーとその利用技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ニホンナシ「豊水」のゲノムDNAを次世代シーケンサ(Roche/454 GS-FLX Titanium)で解析した990 Mbの塩基配列情報から作成した120種類の新規SSRマーカーは、4塩基、5塩基もしくは10-14塩基の反復単位を持つ。
  2. 開発したSSRマーカーは、4塩基反復が54個、5塩基反復が54個、10-14塩基反復が12個であり、ニホンナシ「豊水」、セイヨウナシ「バートレット」および「ラ・フランス」のいずれかの連鎖地図上に位置づけられる。
  3. 新たに構築した「バートレット」の連鎖地図は、485座から構成され965cMの地図距離を持つ(図1)。「ラ・フランス」の連鎖地図は、370座から構成され1160cMの地図距離を持つ。「豊水」の連鎖地図は、415座から構成され1177cMの地図距離を持つ。
  4. 10種類のSSRマーカー(表1)を用いて、信頼性が高く正確なDNA品種識別が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. ニホンナシから開発した120種類の新規SSRマーカーの塩基配列情報や連鎖地図上の位置情報は、公的遺伝子データベース(DDBJ/EMBL/GenBank)に登録済みである(アクセッション番号:AB733179-AB733298)。
  2. 本成果情報で開発したSSRマーカーの解析と遺伝子型の判定には、DNAシーケンサを用いるのが望ましい。
  3. 種苗管理センターと共同して「日本なし24品種の識別マニュアル」を作成し、試験室内妥当性確認で、安定性および再現性を確認している。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027281
カテゴリ DNAマーカー データベース 日本なし 播種 品種

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