簡易に雑草植生を調査するステップ-ポイント法

タイトル 簡易に雑草植生を調査するステップ-ポイント法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2013
研究担当者 浅井元朗
西村愛子
発行年度 2013
要約 農耕地の雑草植生を、一定間隔で数十地点の優占草種を記録する調査方法は非破壊的調査で器具も不要である。ステップ−ポイント法は従来の枠法の数分の1の所要時間で上位出現種の量的構造を数値化でき、その再現性も高い。
キーワード 雑草植生、ステップ-ポイント法、モニタリング、調査精度、調査効率
背景・ねらい 雑草に対する農耕地の管理体系の影響や防除対策の効果を評価するためには、発生状況を簡易かつ継続的に数値化する手法が必要である。非破壊的調査法として従来行われてきた、目視により被度を判定する枠法では,枠設置場所と観測者によるデータの変動を安定化するために多数の枠が必要であること,個々の枠内で管理上重要でない下位出現種の記録、さらに枠の運搬が非効率性をもたらしている。一方、圃場全面の達観調査では、上位出現種の相対的存在量が数値化できず、場所間、調査時期間の比較解析に制約がある。
そこで、管理上重要となる、出現頻度の高い草種の存在量を簡易に数値化する手法を提案し、その効率と精度を検証した。
成果の内容・特徴
  1. 既存の植生調査法であるラインセンサス法を改良し、1圃場あるいは相観的に均一と見なした任意の調査エリア内の歩行ライン上で接した種を記録する(図1)。この手法をステップ−ポイント法と称する。
  2. 複数種が接した場合は足先において最も接地面積の大きい種を記録し,接する種が無かった場合は「なし」等と記録する。調査後、出現種ごとに頻度データを集計する(図2)。得られたデータは出現した優占種の量的比較および多変量解析等を用いた群集の構造比較に利用できる。
  3. この手法を用いてムギ収穫後不耕起・刈取管理の圃場(面積2.1a、植被率60%、植生高40cm)を8月下旬に調査した場合、植生の多様度指数は約20ポイントの調査で飽和し、収束に達する(図3)。したがって、20ポイント以上の調査で上位出現種による植生構造を数値化できる。
  4. ステップ−ポイント法と枠法により評価した被度は高い一致度を示す(データ略)。ステップ−ポイント法で1圃場50ポイントの調査時間は約11分である。枠法でこれと同等の調査精度を得るには約10枠が必要で(図4)、1枠あたり所要時間5.5分×10で55分を要する。したがって、ステップ−ポイント法は枠法の数倍の効率で同等精度の植生構造データが得られる。
成果の活用面・留意点
  1. 本手法は器具が不要で、調査が効率的であるため、現地の実態調査、継続調査に適しており、多様度、多変量解析、季節間、年次間推移の比較解析も可能である。
  2. 本手法では枠法に比べて出現頻度の稀な種を見落としやすい。要警戒草種に絞った早期検出には他の調査法が適している。
  3. 草冠が遮蔽し、垂直構造が発達した群落では、本手法では枠法に比べ、群落上層の種よりも下層の種を多く評価する傾向がある。調査地の植生に応じたサンプルサイズの検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027244
カテゴリ 雑草 防除 モニタリング

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