市販条播機の約3倍の作業能率を有する水稲直播用エアーアシスト条播機

タイトル 市販条播機の約3倍の作業能率を有する水稲直播用エアーアシスト条播機
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 塚本隆行
帖佐直
古畑昌巳
関正裕
吉永悟志
発行年度 2013
要約 トラクタに直装するブーム式の水稲湛水直播機を開発した。本機は、作業幅を最大9.6m確保できるため、市販条播機の約3倍の作業能率を有する。また、空気の力で種子を圃場表面に吐出することで均一な播種を可能とし、慣行条播機と同等の生育が得られる。
キーワード 水稲、湛水直播、省力化、高効率化
背景・ねらい 水稲の生産技術は機械化一貫体系が確立されているが、大規模化に対応した、より低コストで省力的な生産技術が求められている。そこで、水稲の直播栽培における作業能率の向上を達成するための湛水直播機を開発する。
成果の内容・特徴
  1. エアーアシスト条播機は、トラクタ搭載型のブーム式湛水直播機である。PTOを動力源とした送風機(羽根径φ320mm、5000rpm)による空気の力で水稲種子を条状かつ均一に浅播きを行う。作業幅は、最大9.6m(32条)から2.4m(8条)ごとに4段階の調整が可能である(図1、表1)。
  2. 吐出口から田面までの高さ200mmと設定した時の播種性能については、代掻き直後の圃場表面硬度を再現した濃度0.6%の寒天への播種深は2~4mm程度、播種粒数の9割が吐出口中心から半径40mm内に埋没し、圃場においても、形成された条の幅は8cm程度で、播種後の条用管理機による通常の作業が可能である。白化茎長は2~4mm程度となる。
  3. エアーアシスト条播機は浅播きになるため、播種深度の目安となる白化茎長は市販の湛水条播機に比べて短くなるが、カルパー1倍重粉衣したどんとこいの湛水直播栽培では慣行の6条土中条播機と比べて、同等の生育、収量が得られた (表2)。
  4. エアーアシスト条播機の圃場作業量は6条土中条播機の2.8倍に達する(図2)。試算の結果、エアーアシスト条播機の圃場作業量は作業面積が大きいほど高くなるが、面積4aの圃場においても、土中条播機の2倍以上の作業能率が得られる。
成果の活用面・留意点
  1. トラクタの所要動力は13kW 以上である。
  2. エアーアシスト条播機は、圃場集積がされた大区画水田で高い作業能率を発揮する。また、作業幅は状況に応じて2.4~9.6mまで調整可能なため、圃場の大きさに合わせて作業幅を設定することで、大区画水田だけでなく小区画の水田でも導入可能である。
  3. 播種深は圃場の均平と硬さ、水深の影響を受ける。水深はできるだけ浅く、代かきを丁寧に行い、時間を空けずに当日中に播種することが望ましい。
  4. 条ごとの播種量のばらつきは10%未満、また、カルパー1倍重粉衣した種子の播種による損傷程度は軽く、発芽率に影響はない。
  5. 播種深が浅く初期生育がよいが、耐倒伏性の強い品種が望ましい。
  6. ローラー式の試作轍消し装置により、走行後の車輪跡を消しながら播種ができる。
  7. 播種量は、任意に調整可能な繰出ロールの回転数で制御する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027220
カテゴリ 機械化 省力化 直播栽培 水田 水稲 大規模化 低コスト 播種 品種

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