Oshox24プロモーターを利用した生育阻害が起きないストレス耐性イネの作出

タイトル Oshox24プロモーターを利用した生育阻害が起きないストレス耐性イネの作出
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2013
研究担当者 中島一雄
Asad Jan
戸高大輔
圓山恭之進
後藤新悟
篠﨑一雄
篠崎和子
発行年度 2013
要約 イネの乾燥応答性遺伝子Oshox24のプロモーター活性は、通常生育条件下において非常に低いが、乾燥時に強く誘導される。種子における活性も極めて低い。Oshox24プロモーターを用いて、ストレス耐性遺伝子を過剰発現させたイネでは、生育阻害が起きずにストレス耐性が向上する。
キーワード イネ、乾燥誘導性プロモーター、乾燥、塩ストレス、耐性、生育阻害
背景・ねらい イネの生産は、干ばつや塩ストレスなどの環境ストレスによって大きく阻害されるため、ストレス耐性を強化したイネの開発が求められている。ストレス耐性遺伝子を恒常的に過剰発現させると植物の生育を阻害することが多いため、通常生育条件で発現レベルが低いストレス誘導性プロモーターの探索が求められていた。本研究課題では、通常生育条件で発現レベルが低いイネのストレス誘導性プロモーターを探索・利用し、生育阻害が見られずにストレス耐性が向上するイネを作出する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. マイクロアレイを用いた網羅的発現解析を実施すると、イネのOshox24遺伝子は、通常生育条件のイネにおいて発現レベルが低い代表的な乾燥応答性遺伝子の一つとして同定される。
  2. Oshox24遺伝子のプロモーター(以下、Oshox24プロモーターとする)には、植物ホルモンであるアブシシン酸(ABA)に応答性を示すシス配列ABREが存在し、Oshox24プロモーターはABA応答性転写因子であるAREBによる発現誘導が見られる。
  3. Oshox24プロモーターは、従来用いられてきたLIP9プロモーター、OsNAC6プロモーターに比べて、通常生育条件における活性が極めて低く、穏やかな乾燥処理によって強く誘導される(図1A)。
  4. 種子におけるOshox24プロモーターの活性は、LIP9プロモーター、OsNAC6プロモーターに比べて非常に低い(図1B)。
  5. Oshox24プロモーターを利用して乾燥耐性遺伝子を発現させたイネでは、通常生育条件下において生育阻害や収量低下が見られないが、幼苗を用いた試験において乾燥、塩ストレス耐性の向上が見られる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. イネのOshox24プロモーターは、恒常的に過剰発現すると生育を阻害するストレス耐性遺伝子を利用して耐性作物を作出する際に利用できる。
  2. Oshox24プロモーターとOsNAC6等のストレス耐性遺伝子を利用した組換えイネが、実際の圃場で生育阻害を起こさずにストレス耐性を強化できるかどうか、検証が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027142
カテゴリ 乾燥

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