カンボジアのイネいもち病菌レースは地域によってその出現頻度が異なる

タイトル カンボジアのイネいもち病菌レースは地域によってその出現頻度が異なる
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 福田善通
古賀郁美
T. Ung
K. Sathya
田中顕子
小出陽平
小林伸哉
H. Yanada
林長生
発行年度 2013
要約 カンボジアのイネいもち病菌菌系は判別品種への反応から3つグル―プに分けられ、グループの出現頻度は、メコン川流域とトンレサップ湖周辺、さらにアンコールワットで知られるシェムリアップ県と他の地域では異なっている。
キーワード いもち病、菌系、病原性、稲、カンボジア
背景・ねらい JIRCASの国際いもち病ネットワーク研究では、防除技術開発の基礎となる判別システムの開発と世界各地のいもち病菌菌系の病原性の評価、多様性の解析を進めている。しかしメコン川流域の東南アジア諸国におけるいもち病菌レースの分化や多様性に関する研究は少なく、特にカンボジアにおいてはその病気そのもの発生や被害の程度も把握されていない。
成果の内容・特徴
  1. 合計122のいもち病菌菌系は、感受性品種のLTHと23種の抵抗性遺伝子を対象とした判別品種群(一遺伝子系統群またはLTHの準同質遺伝子系統)の反応パターンをもとに3つのグループ(I、 IIa、IIb)に分類される。
  2. グループIは、IIaに比べて、特にPiiPi3Pi5(t)、Pik-sPi12(t)、Pitaに対して病原性を示す菌系頻度が増し、Pi20(t)に対しては減る。
  3. グループIIbは、PibPitPiaPiz-tPi19(t)に対して病原性の菌系頻度が増す。
  4. またグループIIaは、判別品種群に最も広い病原性を示し、広くカンボジア国内に分布し、特にメコン川流域に高頻度で現れる。
  5. グループIはシェムリアップ県に特に多く、他のトンレサップ湖周辺の地域ではIIbの頻度が高い。
  6. カンボジアにおけるいもち病菌菌系は地域よって異なる病原性をもったものが分布しているが、IIaをもとにIおよびIIbが分化したものと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. カンボジアにおけるいもち病菌菌系の分布・分化についての初めての情報である。
  2. 国際判別品種の反応に基づく詳細な病原性研究は、カンボジアのみならず、メコン川周辺のいもち病害が問題となっている国々における、いもち病菌レースの影響や相互の関係を理解するうえでも重要な情報となる。
  3. カンボジア南部、南ベトナムとの国境地域についてはいもち病菌菌系の採取が行われておらず、解析を継続する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027139
カテゴリ いもち病 抵抗性遺伝子 品種 防除

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