イワナにおける天然の雄親魚を活用した種苗生産技術の開発

タイトル イワナにおける天然の雄親魚を活用した種苗生産技術の開発
担当機関 群馬県水産試験場
研究課題名
研究期間 2008~2012
研究担当者 神澤裕平
松原利光
泉庄太郎
新井肇
松岡栄一
小西浩司
発行年度 2013
要約 放流効果が高いイワナの種苗を開発するため、継代飼育してきた養殖魚の雌に天然魚の雄を交配して、新たな系統を作出した。作出した系統の放流後の生残率は継代種苗よりも高く、遡上性も強かった。これらのことから、河川での適応能力が高い種苗を作出できる可能性が示唆された。
背景・ねらい 河川上流に生息するイワナは、渓流釣りの対象魚として人気があり、過疎化が進む山間地域に遊漁券売上や宿泊等で大きな経済効果をもたらしている。しかし、資源増殖を目的として放流されるイワナは長期にわたって継代飼育されていることから、遺伝的多様性が喪失し、環境への適応能力が失われ、放流後に資源として定着しないことが懸念されている。そこで、養殖イワナ(以下、継代魚という)の卵に、天然イワナの精子を人工授精することで、環境適応能力の高いイワナが生産可能であるかを検証した(以下、作出した魚を交配魚という)。
成果の内容・特徴 (1)群馬県水産試験場川場養魚センターにおいて事業規模での飼育試験を実施したところ、交配魚の発眼率等の成績は継代魚と遜色なかった(図1)。

(2)自然河川に交配魚と継代魚を放流したところ、放流3ヶ月後以降、交配魚の方が継代魚よりも生残率が高かった。また、放流1年後に交配魚は生残していたが継代魚は確認されなかったことから、交配魚は河川放流後、長期にわたり生残する可能性が示唆された(図2)。

(3)2度目の放流実験においても、交配魚のほうが継代魚よりも生残率が高かった(図3)。

(4)河川放流後の遡上性も交配魚のほうが高く(図4)、交配魚は放流用種苗として優れていると考えられた。
成果の活用面・留意点 (1)放流量の削減や放流作業の省力化等が期待できる(活用面)。

(2)生産量(養殖量)に応じた精子の確保が必要である(留意点)。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027119
カテゴリ 省力化

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