漁港のコンクリート構造物に対する簡易老朽化診断手法の開発

タイトル 漁港のコンクリート構造物に対する簡易老朽化診断手法の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 水産工学研究所
研究課題名
研究期間 2012~2014
研究担当者 金田拓也
佐伯公康
発行年度 2013
要約 漁港施設のストック量は10兆円を超え的確で効率的な老朽化診断が求められています。コンクリート構造物に適用性が高い衝撃弾性波法を用いたところ、ひび割れ幅が大きいほど表面P波速度が低下しました。これらにより、ひび割れに着目し定量的で簡易な老朽化状態の評価指標の提案を行いました。本手法より老朽化箇所が明確で調査や対策を行う箇所が限定されコスト縮減や効率的な維持管理が可能となります。
背景・ねらい 我が国における道路等の公共構造物は、1960年代の高度経済成長期に集中的に整備され、現在急速に老朽化が進行しています。高速道路笹子トンネルの天井版落下も記憶に新しく、公共構造物を適切に維持管理しなくてはなりません。漁港施設においてもストック量は10兆円を超え、安全性の確保や維持・補修等に係わる費用が今後さらに増大します。

こうしたことから、国や地方自治体では漁港構造物の的確で効率的な老朽化診断が求められています。

本研究では、漁港の主要構造物であるコンクリート構造物に適用性が高い衝撃弾性波法(図1)を用い、簡易な老朽化診断手法を開発しました。
成果の内容・特徴 漁港の岸壁の上部において、表面P波速度の経年変化を調べました(図2)。ひび割れ箇所で表面P波速度が低下しました。表面上のひび割れだけでは分かりませんが、2011年の東日本大震災の影響で内部のひび割れが広がったと考えられます。

漁港の防波堤の上部において、ひび割れ幅と表面P波速度の関係を調べました(図3)。ひび割れ幅が大きいほど表面P波速度が低下することが分かりました。

現地調査や既存文献より、ひび割れに着目し、防波堤の上部における表面P波速度による老朽化状態の評価指標の提案を行いました(表1)。これにより定量的に、コンクリートの簡易な老朽化診断ができることを示しました。
成果の活用面・留意点 コンクリート構造物の評価について、目視によるばらつきのある定性的な評価であったが、定量的な評価となり、老朽化箇所が明確になります。

ハンマーの打撃による調査であるので、長い構造物に対して簡易に短期間(1ヶ所数分)で調査ができます。

こうした的確で簡易な老朽化診断により、老朽化調査や機能保全対策を行う箇所を限定できることから、コスト縮減や効率的な維持管理が可能となります。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027110
カテゴリ コスト 診断技術 ストック

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