南半球におけるニシネズミザメ(Lamna nasus)の分布様式の推定

タイトル 南半球におけるニシネズミザメ(Lamna nasus)の分布様式の推定
担当機関 (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所
研究課題名
研究期間 2012
研究担当者 仙波靖子
余川浩太郎
松永浩昌
発行年度 2013
要約 北大西洋と南半球の高緯度域に棲息するニシネズミザメ(Lamna nasus)は、北大西洋の知見では沿岸性が強いとされているが、南半球では分布に関する包括的な知見が無く、北大西洋と同様の分布様式を示すと考えられてきた。開発調査センターによる調査データおよびミナミマグロ漁業のオブザーバーデータを取りまとめた結果、南半球では外洋域にも広く分布し、サイズにより分布が異なることを明らかにした。
背景・ねらい 近年、さめ類の個体数の減少が世界的に懸念されており、資源状態や保全への関心が高まっている。ニシネズミザメは、北大西洋では対象漁業の発達により資源状態が悪化したため、厳しい資源管理に加え国際取引規制を含む保護対策の強化を求める声が高まっている。同様の規制が南半球の個体群にも求められているが、南半球においては、本種ははえ縄漁業で混獲されているものの漁獲対象とする漁業は無く、資源評価に必要な分布や生活史等の基礎的情報が不足している。このため、南半球において広く展開されてきた過去の調査データやミナミマグロ漁業のオブザーバーデータを取りまとめ、本種の分布様式について整理した。
成果の内容・特徴 1. 従来の認識と異なり、南半球の個体群は外洋域に広く分布し、また大洋間で連続して分布する(図2)。2. 一部の個体はミナミマグロはえ縄漁業の主な操業域(南限45°S付近)よりさらに高緯度域に分布する(図2)。

3. 幼魚は、未成魚や成魚よりも高水温の環境に分布する(図3)。

4. 妊娠個体はこれまでニュージーランド・豪州周辺でのみ報告されていたが、南アフリカのケープ沖にも分布する(図4)。

以上が示唆された。
成果の活用面・留意点 ・本研究より、南半球のニシネズミザメの資源評価および管理については、各大洋における地域漁業管理機関の連携が不可欠である他、沿岸のみならず遠洋漁業の漁獲データを合わせる必要がある。

・南半球の個体群はミナミマグロ漁業の操業域よりも高緯度域に分布している可能性があることから、資源評価の際には、漁獲データが個体群の一部のみをカバーしている特性を念頭におく必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027102
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