容器収納いも付き苗移植栽培による食用サツマイモにおける生育促進・増収効果

タイトル 容器収納いも付き苗移植栽培による食用サツマイモにおける生育促進・増収効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 安達克樹
杉本光穂
石井孝典
新美 洋
大嶺政朗
鈴木崇之
高田三樹
後藤 章
横山京太郎
発行年度 2012
要約 親いも肥大を抑制するためのポリプロピレン製容器を試作し、この容器を用いた容器収納いも付き苗移植栽培により、食用サツマイモ品種「高系14号」では慣行挿苗栽培と比べて植え付け後の生育が促進され、収量が向上する。
キーワード サツマイモ、高系14号、容器収納いも付き苗、移植栽培、生育促進、収量向上
背景・ねらい 直播適性の低い品種「コガネセンガン」において、プラスチック容器を用いて物理的に親いも肥大を抑制する容器収納いも付き苗(以下、容器苗と略す)移植栽培法を考案した(特開2011-217611)。この方法は、容器に収まった種いもが付属する育苗した苗を移植する栽培法である。ここでは、食用サツマイモ品種について、比較的作付割合の高い「高系14号」を選択し、試作したプラスチック容器を用いて容器苗移植栽培の適用を検討する。容器苗移植栽培と慣行挿苗栽培について植え付け後の生育と収量性を比較し、容器苗移植栽培の有利性について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 容器は、栽培試験により親いも肥大による割れ頻度が少ないポリプロピレン製容器(以下、PP容器)を用いる(写真1)。この容器は、定形の30cm×60cmトレイへ7個×14列配置できる(写真1A)。サツマイモ品種「高系14号」の30~80g程度の種いもを横2分の一分割して容器に入る大きさに調製する(試験では横2分の一分割から8分の一分割して平均27.3g±8.2gへ調製)。容器苗は、分割した種いもを培土とともにPP容器に植え付けて自然光・25℃条件で約4週間育苗して準備する(写真1A、B)。
  2. 容器苗を慣行高畦の約17~20cmの深さへ植え付けて移植栽培する。5月上旬、6月中旬植え付け条件で栽培試験すると、容器苗移植栽培区の生育は、慣行挿苗栽培と比べて植え付け後50-55日目において1株当たり地上部乾物重と1株当たり子いも生重はいずれの条件でも増大し(図1A、B)、植え付け後の生育が促進される。
  3. 植え付け後120-121日目の子いも収量は、慣行挿苗栽培と比べて容器苗移植条件で12%(5月上旬植え付け条件)および18%(6月中旬植え付け条件)増大し(図2)、容器苗移植栽培により収量が向上する。
  4. 子いも平均1個重は、5月上旬植え付け条件と6月中旬植え付け条件のいずれにおいても慣行挿苗区と容器苗移植区の間に有意な差は認められないが(表1)、子いも1個重分布は、5月上旬植え付けの容器苗移植区において慣行挿苗区と比較して重い側の分布がやや増えた。子いも長短径比は、容器苗移植栽培により慣行挿苗栽培より有意な増加が認められる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「高系14号」のみならず、直播適性の低い食用・加工用品種への容器苗移植栽培技術の適用を研究する際の基礎情報となる。
  2. 本成果は、都城市の気象と黒ボク土にて栽培した結果である。
  3. 容器苗移植栽培の肥培管理方法は慣行挿苗栽培と同様である。
  4. 容器は、資材メーカーとの共同研究により試作した。
  5. 収穫時のいも株掘り取りの際に、容器を回収する。回収した容器は、複数年間の再利用が可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027023
カテゴリ 育苗 加工 栽培技術 収量向上 肥培管理 品種

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