低コストな高軒高ハウスと自動灌水装置等による夏秋トマト低段密植2作採り

タイトル 低コストな高軒高ハウスと自動灌水装置等による夏秋トマト低段密植2作採り
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2012
研究担当者 長﨑裕司
杉浦 誠
柴田昇平
川嶋浩樹
畔柳武司
木下貴文
堀江達哉
日高輝雄
古橋典子
岡田牧恵
山本和博
発行年度 2012
要約 建設足場資材利用した高軒高ハウス、日射量対応型自動灌水装置および隔離床栽培の導入によるトマト低段密植2作採りは、温暖地中山間の夏秋作において、収量15t/10aを安定して達成でき、その約半分を単価の高い9~10月に確保できる栽培システムである。
キーワード トマト、隔離床栽培、建設足場資材利用園芸ハウス、日射量対応型自動灌水
背景・ねらい 中山間地域における施設園芸では、経営規模が小さく投入可能な資本が限られ、労働力の高齢化も進んでいることから、低コスト化・省力化に留意した技術開発が必要である。当該地域の夏秋トマトは10aあたりの平均収量が10tに満たない水準で伸び悩んでおり、特に9~10月の収量が少ないことが問題である。 そこで、換気性の良好な建設足場資材を利用した高軒高ハウスを適用するとともに、細霧ノズル付循環扇による簡易細霧冷房技術による高温期の暑熱緩和(平成23年度研究成果情報)、秋期収量確保のための低段密植2作採り作型を開発し、低コストな自動灌水・施肥技術の導入も合わせて高収益生産体系を実証する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した低段密植2作採り栽培方式は、4月下旬に定植し6~7月に3段まで収穫する1作目と、7月下旬に定植して9~11月に4段まで収穫する2作目を組み合わせたものである。定植株数は6,000株/10aであり、9~10月の収量(10aあたり)が慣行の5tに対し8tと多収となることから、2作で15t水準の収量を確保できる(図1)。
  2. 建設足場資材利用園芸ハウスは立地条件に合わせて、軒高約3mの片屋根型、両屋根型で施工することが可能であり、資材コストは350万円/10a水準である(表1)。
  3. 隔離床栽培には、組立が容易なイチゴ高設栽培用の栽培槽(幅25cm、深さ12cm)を高さ45cm、誘引パイプを高さ約2mに設置する。
  4. 日射量対応型自動灌水装置は、日射量に対応した水量を自動で灌水できる(図2)。排液を回収して再利用すれば、栽培期間平均で株あたりの日原水使用量を約0.5Lに抑えた節水栽培が行える。
  5. 開発技術を導入した5a規模での実証結果から、慣行栽培(収量11t/10a)と比較した場合、経営費は慣行の1.5倍の約360万円/10aを要するものの、16t/10aの収量が得られ高単価の9~10月の収量も多いことから同1.7倍の約640万円/10aの粗収益が得られ、結果として約2倍の所得が得られている(表2)。
  6. 本栽培方式は、片側誘引でつる下ろし作業を省略でき、管理・収穫作業姿勢の改善にも有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:夏秋トマト生産農家・法人
  2. 普及予定地域・普及台数等:温暖地中山間地域において10か所以上
  3. その他:建設足場資材利用園芸ハウスの屋根傾斜は、温暖地中山間でも耐雪性を考慮して15度以上を確保することが望ましい。個別要素技術(ハウスなど)については、既に複数県(研究担当者所属県以外で京都府、鹿児島県など)での利用事例あり。建設足場資材利用園芸ハウスと日射量対応型自動灌水装置については導入マニュアルを策定予定。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027010
カテゴリ いちご 経営管理 コスト 栽培技術 施設園芸 省力化 施肥 中山間地域 低コスト トマト

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