鉄コーティング水稲湛水直播栽培で使用する活性化種子の発芽生理特性

タイトル 鉄コーティング水稲湛水直播栽培で使用する活性化種子の発芽生理特性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2012
研究担当者 森 伸介
発行年度 2012
要約 鉄コーティング水稲湛水直播栽培で使用する活性化種子(水浸種後、乾燥処理した 種子)は、浸種後に短時間で種子内α-アミラーゼ活性と水溶性糖濃度が増加し、種子から 鞘葉へ糖供給が増加する。
キーワード 鉄コーティング水稲湛水直播、活性化種子、α-アミラーゼ活性、水溶性糖
背景・ねらい 低コスト・省力化が可能で、浮苗や鳥害を軽減できる鉄コーティング水稲湛水直播栽培では、出芽・苗立ちの安定化と初期生育量の確保を図るため、活性化種子(水浸種後、乾燥処理した種子)が使用されている。活性化種子は高い発芽勢に加え、水中での鞘葉の伸長性も高く、苗立ちの安定化や初期生育量の確保に有効であるとされているが、その生理機構は解明されていない。そこで、鉄コーティング水稲種子に使用される活性化種子の発芽生理特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 鉄コーティングの有無にかかわらず、活性化種子(20℃で3日間浸種後、50℃で2日間乾燥処理した種子)は無処理種子と比較して、発芽、水中での鞘葉の伸長が速い(図1、2)。
  2. 活性化種子は無処理種子と比較して、浸種後、短時間で種子中のα-アミラーゼ活性が増加する。このため、でんぷんの分解が速くなり、無処理種子に比べて種子中のグルコース濃度も短時間で増加する(図3)。
  3. 活性化種子は、無処理種子と比較して、無酸素水中条件下で8日間浸種後の種子中のα-アミラーゼ活性と水溶性糖濃度(スクロース、グルコース、フルクトース)および鞘葉中のグルコース、フルクトース濃度が高い(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は活性化種子が高い発芽勢を示す生理学的な要因を示すもので、鉄コーティング水稲直播栽培における活性化種子の利用促進に資する。
  2. 本研究は「コシヒカリ」の種子(2010年生産種子を4℃で保存し、翌年に試験)を供試した結果であり、活性化種子の作成条件が同一の場合でも品種や栽培条件の違いによって種子活性化の程度は異なることが予測される。
  3. α-アミラーゼ活性および水溶性糖濃度のデータは無コーティング種子で得られた結果である。
  4. 人工気象室内のポット試験では、鉄コーティング水稲湛水直播栽培における出芽、初期生育量を短時間で確保するために活性化種子の使用が有効である結果を得ている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010027002
カテゴリ 乾燥 栽培条件 直播栽培 水稲 鳥害 低コスト省力化 品種 無コーティング種子

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