土壌凍結深の制御による野良イモ対策技術

タイトル 土壌凍結深の制御による野良イモ対策技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 廣田知良
臼木一英
岩田幸良
矢崎友嗣
井上 聡
荒木和哉
岩﨑暁生
梶山 努
鈴木 剛
白旗雅樹
高宮泰宏
前塚研二
山中 功
発行年度 2012
要約 収穫後、圃場に残ったばれいしょ塊茎は、土壌凍結深30cmで死滅する。土壌凍結深制御手法に基づいて決定したスケジュールでの、雪割りにより、本条件の達成で野良イモ個体数を無処理対比5%以下に減らすことができる。
キーワード 野良イモ、土壌凍結深制御、雪割り、気候変動、適応策
背景・ねらい 我が国のばれいしょ生産量の約3割を占める北海道・十勝地方では、初冬の積雪深増加による土壌凍結深の減少に伴い、圃場に残った塊茎が雑草化し、後作物の生育阻害や病害虫発生等の源となる野良イモの問題が深刻化し、夏場に多大な除草の労力を要している。一部では、雪割りによる土壌凍結促進による対策が、省力的な技術として取り組まれている。雪割りとは圃場を除雪幅で縞状に分割し、前・後期に分けて交互に実施する凍結促進のための圃場内除雪作業である。しかし、適用可能地域が不明で作業時期などを勘と経験に頼るため、必ずしも期待される効果が得られていない。そこで、土壌凍結深制御手法(2011成果情報)に基づく野良イモ防除効果を現地実証し、低コストで安定的な効果が期待できる技術指針の作成と現場農業機関での農業情報システムにより、技術の迅速な普及を図る。
成果の内容・特徴
  1. 地中のばれいしょ塊茎は、塊茎位置の日平均地温が-3℃を下回ると生存できない。
  2. 収穫後の残存塊茎は96%以上が地表下15cm以内に分布する。除雪により土壌凍結を促進させた条件で日平均地温が深さ15cmで-3℃に達する際の土壌凍結深は30cmとなる。この凍結深30cmを、野良イモ防除のための目標土壌凍結深とする(図1)。
  3. 十勝管内4地点においての現地実証から、土壌凍結深30cm(野良イモ防除深15cm)を目標に土壌凍結深制御による雪割り処理("予測雪割り")は、高い野良イモ防除効果を示す(表1)。
  4. 目標土壌凍結深30cmを達成するために、確率上30年に1度の頻度で出現する暖冬年でも防除効果を安定的に得るのに必要な後期の雪割り実施晩限は、十勝地方中央の平野部で、1月下旬~2月上旬である。12月~2月の平均気温が-5℃を上回ることがある十勝の西部、南部の一部地域で、目標土壌凍結深達成の困難な年次がある(図2)。
  5. 雪割り処理の効果が不十分な場合の補完技術として、秋季の塊茎表層集積や塊茎損傷処理は、残存塊茎の枯死率向上効果がある(データ省略)。
  6. 以上の結果に基づき、効果的な野良イモ処理のための対策作業指針を表2に示す。
  7. 目標土壌凍結深を達成するための雪割り日程立案・土壌凍結深予測プログラムを農業情報システムに組み込むことで、土壌凍結深の制御による野良イモ対策を生産者自らが容易に実施可能な体制が整備される。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:農家、JA、コントラクター等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:十勝地方では十勝農協連運営の農業情報システム営農webてん蔵(表2)により、農協24団体と農協加入農家で利用されている。
  3. 十勝地方以外での目標凍結深達成可能な地域では積雪・降雪頻度の影響の検討を要す。
  4. 北海道農業試験会議(成績会議)(2013)、普及推進事項。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026972
カテゴリ 害虫 コントラクター 雑草 除草 低コスト ばれいしょ 防除

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