ブリリアントブルーG250は異常プリオン蛋白質蓄積を阻害する

タイトル ブリリアントブルーG250は異常プリオン蛋白質蓄積を阻害する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2010~2012
研究担当者 岩丸祥史
竹之内敬人
村山裕一
岡田洋之
今村守一
清水善久
橋本 款
毛利資郎
横山 隆
木谷 裕
発行年度 2012
要約 ブリリアントブルーG250(BBG)は、培養細胞表面の正常プリオン蛋白質の発現を低下させ、異常プリオン蛋白質(PrPSc)の蓄積を阻害する。BBGは、プリオン感染細胞モデルだけでなくマウスモデルにおいても、PrPSc蓄積を阻害する。
キーワード プリオン、異常プリオン蛋白質蓄積阻害、ブリリアントブルーG250
背景・ねらい プリオン病は、ヒトおよび動物に発生する一群の致死性神経変性疾患である。現在までに、多くの異常プリオン蛋白質(PrPSc)蓄積阻害分子が報告されているが、プリオン病に対する治療法は確立されておらず、その治療薬開発は急務となっている。ブリリアントブルーG250(Brilliant Blue G250:BBG)は蛋白質の染色や定量分析に用いられる色素である。PrPSc蓄積阻害能を持つ既知の分子群(コンゴレッド、クルクミン)とBBGの分子構造との比較により、BBGにPrPSc蓄積阻害活性があることが予想される。そこで、プリオン感染細胞モデル、マウスモデルを用いてBBGのPrPSc蓄積阻害活性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. プリオン持続感染細胞の培養液中にBBG(図1)を添加し継代を行うと、PrPScの蓄積が減少し、検出限界以下となる(図2)。
  2. BBG処理プリオン感染細胞の感染性は、PrPScの蓄積と同じく、著明に減少する(図2)。
  3. BBG処理細胞の細胞表面では正常プリオン蛋白質の減少が認められる(図3)。正常プリオン蛋白質の細胞内輸送および局在の変化が、BBGのプリオン複製阻害活性に関与している可能性がある。
  4. BBG はFukuoka-1株プリオン感染マウスへの腹腔内投与により、脳内のPrPSc蓄積を阻害する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. BBGは蛋白質の染色や定量分析など、生化学分野で汎用されている試薬であるがPrPSc蓄積阻害活性を示したのは本研究が初めてである。BBGはプリオン病治療薬につながるシーズ化合物となる可能性がある。また、PrPSc蓄積阻害能を持つ分子の阻害機構を調べることは、未解明な点が多いプリオン増幅機構の理解につながる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026869
カテゴリ 治療法 輸送

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