洗米排水飼料化の環境影響

タイトル 洗米排水飼料化の環境影響
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2008~2010
研究担当者 荻野暁史
石田三佳
大森英之
山下恭広
田中康男
横山 浩
川島知之
立川健治
井尻 哲
発行年度 2012
要約 濃厚洗米排水の遠心濃縮飼料化は排水処理して放流する場合と比較して、温室効果ガス排出量およびエネルギー消費量を低減する。また加熱濃縮飼料化は排水処理して放流する場合と比較して、温室効果ガス排出量を低減する。
キーワード 液状食品残さ、飼料化、LCA、温室効果ガス、環境影響評価
背景・ねらい 飼料自給率の向上、資源循環型畜産を目指して、食品系バイオマスである食品残さから製造した飼料 (エコフィード)の利用が推進されている。洗米工程時には米の固形分の約2%が流失しており、その資源量は約17万トンと推定される。洗米排水は現状では排水処理されているが、節水型の洗米機を用いることで濃厚洗米排水 (DM10%)となり、資源としての利用性が増している。一般的な食品残さについてはリキッド飼料化が焼却処理と比較して大きく環境影響を低減することが報告されている。ここでは、濃厚洗米排水を対象に、遠心濃縮飼料化 (「遠心濃縮」)、加熱濃縮飼料化 (「加熱濃縮」)、乾燥飼料化 (「乾燥」)、の3つの飼料化システムおよび既存処理方法である活性汚泥法により処理し下水道放流する洗米排水処理システム (「排水処理」)についてライフサイクルアセスメント (LCA)を行い、環境影響を比較する (図1)。
成果の内容・特徴
  1. 「遠心濃縮」、「加熱濃縮」、「乾燥」、「排水処理」のCO2換算 (CO2e)の温室効果ガス排出量は、原料米1トンあたりそれぞれ、6.4、15.8、45.5、22.5kgである (図2)。「遠心濃縮」が最も小さく、「加熱濃縮」も「排水処理」より小さいが、「乾燥」は「排水処理」より大きい。濃厚洗米排水は一般的な固形状食品残さよりも含水率が高いため、加熱・乾燥に伴う燃料使用量が結果に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
  2. 「遠心濃縮」、「加熱濃縮」、「乾燥」、「排水処理」のエネルギー消費量は、原料米1トンあたりそれぞれ、108、322、739、242MJである (図3)。「遠心濃縮」は温室効果ガスの場合と同様に最も小さいが、「加熱濃縮」は「排水処理」より大きい。
  3. 製造される飼料の農家までの輸送を含める場合、片道輸送距離が200kmまで長くなっても温室効果ガス排出量およびエネルギー消費量の各処理・利用システム間の順位は変わらない。
成果の活用面・留意点
  1. 評価の対象範囲は、発生した濃厚洗米排水から養豚用飼料を製造する段階までである。なお「排水処理」においては、他の場合において製造されるものとエネルギー的に等価の飼料を海外で生産し、輸入するものとしている。評価項目は、温室効果ガス排出量 (CO2、CH4、N2O)、エネルギー消費量である。環境影響評価に必要なデータは、飼料化あるいは排水処理の事例あるいは試験結果について聞き取り調査を行うことにより取得し、輸入飼料および排水処理時の温室効果ガス発生については文献等から収集している。
  2. 液状食品残さの飼料利用およびそれら活動の促進にあたって有用な情報となる。
  3. 各飼料化法および排水処理の特徴、用いた環境負荷発生係数等、詳細については発表論文を参照されたい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026841
カテゴリ 乾燥 輸送

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