アミノ酸添加低タンパク質飼料給与によりブロイラー胸肉がやわらかくなる

タイトル アミノ酸添加低タンパク質飼料給与によりブロイラー胸肉がやわらかくなる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2012
研究担当者 小林裕之
中島一喜
石田藍子
芦原 茜
勝俣昌也
発行年度 2012
要約 ブロイラーにおいてアミノ酸添加低タンパク質飼料を10日間給与すると遊離グルタミン酸含量を低下させることなく胸肉をやわらかくできる。
キーワード 飼料中アミノ酸、食肉品質、物性制御
背景・ねらい 飼料の低コスト化や環境負荷低減の観点から飼料の低タンパク質化は重要である。これまで、低タンパク質飼料給与が家畜および家禽の生産性に及ぼす影響については数多く検討されている。一方で食肉品質に及ぼす低タンパク質飼料給与の影響を検討した報告は極めて少ない。そこで本研究では、低タンパク質(LCP)飼料またはアミノ酸添加低タンパク質(ELCP)飼料を10日間給与させた際の食肉のせん断応力、呈味成分に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 本成果は21日齢雄ブロイラーを3群に分け、対照飼料(粗タンパク質(CP)20%)、低タンパク質飼料(LCP:CP15%)、アミノ酸添加低タンパク質飼料(ELCP:CP15%、必須アミノ酸充足)を10日間給与した結果である。
  2. 10日間のELCP飼料給与により、対照飼料を給与した場合と同程度の増体が得られる。胸肉(浅胸筋)において、かたさの指標となるせん断応力は、対照区と比較してELCP区で1/2程度に低下し(図1)、やわらかくなる。
  3. 浅胸筋中の総コラーゲン量および可溶性コラーゲン量は3試験区間で差は示されず(表1)、筋線維断面積はLCP及びELCP区で低下(表1)する。筋肉粗脂肪含量には給与飼料の影響は示されない(表1)。したがって、浅胸筋中コラーゲン量、筋線維断面積および筋肉粗脂肪含量はELCP飼料給与によるブロイラー浅胸筋でのせん断応力の低下要因ではない。
  4. 鶏肉らしい呈味の構成成分である遊離グルタミン酸含量は高タンパク質飼料を10日間ブロイラーに給与することで増加することが報告されている。したがって、ELCP飼料の給与により浅胸筋中の遊離グルタミン酸含量が低下することが予想されたが、10日間のELCP飼料給与により浅胸筋中遊離グルタミン酸含量は変化しない(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. アミノ酸添加低タンパク質(ELCP)飼料をブロイラーに給与することにより、遊離グルタミン酸量を低下させることなく10日間でやわらかい食肉の生産が可能である。
  2. ELCP飼料において必須アミノ酸要求量を満たすため、現在飼料添加物として認可されていないアミノ酸(セリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン)の添加を行っている。
  3. 本成果は通常のブロイラーの出荷日齢よりも若齢のブロイラーを用いて得られた成果である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026831
カテゴリ 環境負荷低減 出荷調整 低コスト

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