標準泌乳曲線の作成と環境の区分け

タイトル 標準泌乳曲線の作成と環境の区分け
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2011~2012
研究担当者 佐々木修
武田尚人
西浦明子
発行年度 2012
要約 標準泌乳曲線は5次のLegendre多項式とWilminkの指数式を併せたモデルを用い、全国を北海道、東北、関東・北陸・中部・中国、近畿・四国・九州の4区、産次を初産、2産、3・4産、5・6産の4区に分け、分娩月ごとに作成するのが適切である。
キーワード 乳用牛、泌乳曲線、標準乳量、牛群検定
背景・ねらい 乳牛は気温などの環境の変化や、乳期による乳量の変化にあわせて飼養管理方法を変えていく必要がある。しかし、牛群内には条件の異なる個体が混在しているため、生産量の変化から管理が適切であるかどうかを把握することは難しい。そのため、乳用牛群検定では、管理指標の一つとして、標準乳量を検定農家に示している。標準乳量は、乳量が環境から受ける影響のうち、自然環境や生理的要因などの人為的ではない環境の影響を、標準泌乳曲線を用いて補正し、飼養管理の乳量への影響を分かりやすく示す指標である。補正精度の高い標準泌乳曲線の作成には、乳期中の環境の変化を考慮できる泌乳曲線の作成と、泌乳曲線に与える影響を考慮した環境効果の適切な区分けが必要である。ここでは、当てはまりの良い泌乳曲線を作成するとともに、地域、季節、産次および乳期の乳量への影響について検討し、標準泌乳曲線の作成に適切な環境の区分けを行う。
成果の内容・特徴
  1. 泌乳曲線モデルとして5次のLegendre多項式にWilmink式を組み合わせたモデルが、標準泌乳曲線モデルとして適切である(式1)。
  2. 全国を9地域に分けて月ごとの乳量変化を見ると、季節変化の傾向が近い地域がある(図1)。したがって、全国を北海道、東北、関東・北陸・中部・中国、近畿・四国・九州の4区にわけて標準泌乳曲線を作成するのが適切である。
  3. 産次による乳量への影響を見ると、3産と4産、および5産と6産で分娩後日数による変化の形が近い。したがって、初産、2産、3・4産、5・6産の4区に分けて標準泌乳曲線を作成するのが適切である。
  4. 分娩月により乳量への季節の影響の大きさが異なる(図2)。したがって、分娩月ごとに標準泌乳曲線を作成するのが適切である。
  5. ここで作成した標準泌乳曲線を用いて標準乳量を求めた場合(図3)、検定日成績が平均的な牛群管理からずれていることは、牛群検定の牛群成績における標準乳量の平均と検定日成績との差が2.4kg以上であることで判断できる。
成果の活用面・留意点
  1. 家畜改良事業団において、標準乳量算出への利用が検討されている。
  2. 標準乳量の計算に用いることで、環境効果の補正精度を高めることができる。
  3. 標準泌乳曲線は乳期中の乳量変化の目安となることから、乳期を通した飼料設計が容易になる。
  4. 飼養管理方針によって泌乳曲線の形や乳量レベルは異なるので、標準泌乳曲線と乳期中の乳量変化が一致する必要はない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026823
カテゴリ 飼育技術 飼料設計 乳牛

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