紫イネサイレージの発酵品質、栄養価および抗酸化酵素賦活作用

タイトル 紫イネサイレージの発酵品質、栄養価および抗酸化酵素賦活作用
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2008~2010
研究担当者 細田謙次
松尾守展
宮地 慎
松山裕城
前田英郎
太田久稔
加藤 浩
野中和久
発行年度 2012
要約 紫イネは、良好なサイレージ発酵品質を示し、抗酸化物質のアントシアニンを多く含む。その家畜への給与は抗酸化酵素の活性を上昇させることから、機能性物質の供給源として有効である。
キーワード ウシ、紫イネ、アントシアニン、発酵品質、抗酸化酵素
背景・ねらい 家畜は強い酸化ストレスに曝されていることが知られており、抗酸化物質を多く含む飼料の給与が酸化ストレスを低減させるための一方策であると考えられる。紫イネが含有する色素のアントシアニンは強い抗酸化活性を示し、抗酸化酵素の活性を上昇させる効果があると単胃動物で知られている。そこで本課題では、ウシ用飼料としての紫イネの有用性を明らかにするため、サイレージ発酵品質、栄養価およびその給与が抗酸化防御システムに及ぼす影響を調べる。
成果の内容・特徴
  1. 紫イネ(品種「紫稲(作物研)」)サイレージは、対照のイネ(品種「クサホナミ」)サイレージと比べてpHが高く、乳酸含量が低いものの、V-スコアはおおよそ100で非常に良好な発酵品質を示す(表1)。
  2. 紫イネサイレージは、対照イネサイレージと比較して、蛋白質、酸性デタージェント繊維、中性デタージェント繊維、粗灰分およびアントシアニン含量が高く、乾物、有機物、非繊維性炭水化物およびデンプン含量が低い(表2)。
  3. 紫イネサイレージを含む飼料は、対照のイネを含む飼料を給与する区よりも、デンプンを除くすべての成分の消化率および可消化養分総量が低い(表3)。
  4. 紫イネサイレージをヒツジに給与した場合、血液の抗酸化能およびグルタチオン濃度は変化しないが、抗酸化酵素の一つであるスーパーオキシドディスムターゼ活性が上昇する(表4)。
  5. 紫イネは、栄養価の改善が必要であるものの、機能性物質の供給源として有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 紫イネの育種改良および乳牛向けの紫イネを活用した機能性飼料の給与技術を開発するために役立つ情報となる。
  2. 本成果の内容は、紫イネとして飼料用に育種改良されていない「紫稲(作物研)」を、対照のイネに飼料用品種の「クサホナミ」を用いて行った結果である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026814
カテゴリ 育種 機能性 飼料用作物 乳牛 品種

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