関東におけるトウモロコシ二期作の栽培適地と限界地帯における生産性

タイトル 関東におけるトウモロコシ二期作の栽培適地と限界地帯における生産性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2009~2012
研究担当者 菅野 勉
森田聡一郎
佐藤節郎
黒川俊二
西村和志
九石寛之
増山秀人
島田 研
発行年度 2012
要約 関東のトウモロコシ二期作の適地は2作目相当期間の有効積算温度(10℃基準)が1,200℃以上の地域である。同1,100~1,200℃の限界地帯でも二毛作よりTDN(可消化養分総量)収量が10%程度向上し、生産費も5%程度削減可能である。
キーワード 生産費、トウモロコシ、二期作栽培、有効積算温度
背景・ねらい トウモロコシ二期作は従来、我が国暖地の多収作付体系であるが、近年、温暖地においても栽培事例が増加している。そこで、本研究ではトウモロコシ二期作の限界地帯と考えられる関東中部温暖地において、トウモロコシ二期作が可能になる条件および導入可能地域を明らかにするとともに、トウモロコシ二期作の適品種や二期作体系の収量性および経済性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 栃木県南部においては、4月上旬から7月下旬の1作目に極早生品種を、8月上旬から11月中旬の2作目に中生から晩生の品種を組み合わせることで、トウモロコシ二期作が可能になり、1作目では10a当たり1.6t、2作目では同1.4t程度の乾物収量が期待できる(表1)。
  2. 限界地帯でのトウモロコシ二期作では、有効積算温度の不足により2作目の登熟が不安定になりやすいが、10℃基準の有効積算温度1,200℃前後の条件でトウモロコシの全植物体乾物率が25%前後となり、黄熟期収穫が可能になる(図1)。
  3. 1999年から2008年の10年間のアメダスデータ(1km×1kmでメッシュ化)を用いて、2作目に相当する8月1日~11月20日の有効積算温度を関東地域の地図上に示すと、有効積算温度が1,200℃を超え、トウモロコシ二期作が安定的に栽培可能な適地は関東南部および房総半島の沿岸部である。関東中部から房総半島は、冷涼年には2作目の登熟不足が懸念される有効積算温度1,100~1,200℃の限界地帯に該当する(図2)。
  4. 栃木県南部での現地実証試験におけるトウモロコシ-イタリアンライグラス二毛作とトウモロコシ二期作の年間乾物収量、年間TDN収量(それぞれ2年間の平均値)およびTDN1kg当たりの生産費を比較すると、トウモロコシ二期作は二毛作に比較して年間乾物収量が6%、年間TDN収量が11%高く、生産費は6%低い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 自給飼料増産を希望する畜産農家、コントラクター等における低コスト多収作付体系として活用できる。
  2. 二期作北限である栃木県南部(小山市)の過去10年間の2作目相当期間(8月1日~11月20日)の有効積算温度の平均値は1,158℃で、2作目のトウモロコシが黄熟期収穫可能となる1,200℃以上の年は4か年(2007年および2010~2012年)であった。
  3. 限界地帯におけるトウモロコシ二期作では、冷涼年の発生等も考慮し、経営面積全体を二期作に移行させるのではなく、二期作と慣行二毛作を組み合わせ、冬作飼料作物の栽培を残す方法が望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026811
カテゴリ イタリアンライグラス 経営管理 コントラクター 飼料作物 低コスト とうもろこし 二毛作 品種

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