カンキツにおけるダイレクトPCR法

タイトル カンキツにおけるダイレクトPCR法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2008~2012
研究担当者 太田 智
矢野加奈子
栗田恭伸
喜多正幸
清水徳朗
吉岡照高
根角博久
発行年度 2012
要約 カンキツの葉を突いた爪楊枝をPCR反応液に浸すことでダイレクトPCRを行うことができる。また、葉を突いた爪楊枝をTE0.2バッファーに浸すとDNAサンプルを作成することもできる。これにより、DNA抽出に要する時間、実験機器および消耗品類を大幅に削減できる。
キーワード カンキツ、DNAマーカー分析、ダイレクトPCR、DNA抽出、爪楊枝
背景・ねらい 近年、カンキツ育種実生の早期選抜や品種識別のためにDNAマーカーを用いる機会が増えてきた。しかしながら、分析には多くの時間がかかり、高額な機器や試薬等の消耗品が必要であった。特に木本植物のDNA抽出においては、多糖類やポリフェノールなどのPCR阻害物質を取り除くために多くの工程が必要であった。そこで本研究では、カンキツにおけるダイレクトPCR法の開発に取り組んだ。
成果の内容・特徴
  1. 緑化直後のカンキツ葉を爪楊枝で突き刺し、それをPCR反応液に浸すことによりダイレクトPCRを行うことができる(図1)。また、葉を突いた爪楊枝をTE0.2バッファー(10 mM Tris-HCl pH 8.0 and 0.2 mM EDTA)に浸すことでPCRが可能なDNAサンプルを作成することもできる(超簡易DNA抽出法とする)。いずれの場合も、純度の低いDNAサンプルからのPCR増幅が可能な遺伝子増幅用試薬を用いる。
  2. ダイレクトPCR法および超簡易DNA抽出法によるPCRの成功率は平均96%である(表1)。
  3. これにより95サンプルのPCRを開始するまでに要する時間を1.5~2時間(2006年成果情報;簡易で迅速なカンキツのDNAマーカー分析法、の10分の1以下)に短縮できる(図1)。また、サンプル破砕装置、遠心機、ヒートブロックなどの高額な実験機器が不要で、DNA抽出に用いる試薬やプラスチック製品などの消耗品も節約できる。
成果の活用面・留意点
  1. 育種実生の早期選抜、苗木や穂木の品種判別に用いられている。
  2. 1つのDNAマーカーについて素早く結果を得たい場合にはダイレクトPCRを、複数のDNAマーカーの場合には超簡易DNA抽出法を行うと効率が良い。
  3. DNA抽出に向いた健全な葉であれば、成葉や旧葉も利用できる。
  4. この方法により比較的長い500-1200bpのDNAマーカーの増幅が可能である。
  5. サンプルの採取時期や実験条件の検討を行うことにより、カンキツ以外の木本植物(クリ、マンゴー、ナシなど)でも利用可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026755
カテゴリ 育種 くり DNAマーカー 品種 マンゴー その他のかんきつ

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