臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型新規栽培マニュアル

タイトル 臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型新規栽培マニュアル
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2012
研究担当者 津田新哉
小粥理絵
久保田健嗣
冨高保弘
窪田昌春
寺見文宏
小川孝之
鐘ヶ江良彦
武山桂子
衛藤夏葉
森田泰彰
森山美穂
黒木 尚
西 八束
横山 恵
難波信行
発行年度 2012
要約 2012年12月31日で全廃となった土壌くん蒸用臭化メチル剤の代替技術として開発した国内8地域4品目対象の産地適合型マニュアルによる栽培は、同剤使用時の慣行栽培に対し何れも90%以上の収量を確保することができる。
キーワード 臭化メチル、産地適合技術、栽培マニュアル、土壌病害、環境保全
背景・ねらい 単一作物の周年栽培で発生する連作障害を巧妙に制御してきた土壌くん蒸剤の臭化メチルは、オゾン層破壊物質に指定されたため2012年12月31日で生産現場から姿を消している。作物の安定生産に大きく貢献した本剤の全廃後も、それらを持続的に生産可能にするため新規代替技術の開発は必須である。そこで、2008年からの5年間をかけて、これまで臭化メチル剤が使われてきたピーマン・トウガラシ類、メロン、キュウリ、そしてショウガの4品目を対象に国内の8地域でその代替技術となる新規栽培マニュアルを開発する。
成果の内容・特徴
  1. ピーマン・トウガラシ類のモザイク病対策では、土壌残存ウイルスの汚染程度に応じて、土壌中植物残渣の腐熟促進技術、生分解性ポット等での根圏保護定植技術、弱毒ウイルスを用いた生物防除技術または抵抗性品種の組み合わせが有効である。また、必要に応じて垂直二本仕立て法やプランター栽培法も導入する(図1)。それらの栽培体系の有効性は、茨城県の半促成栽培と抑制栽培、鹿児島県の促成栽培で実証されている。
  2. 地床アールス系メロンのえそ斑点病対策では、市販の抵抗性品種の中から、地域性、栽培環境、果実品質等を視点に選定した産地適合品種を活用する。千葉県では、クロルピクリンとD-Dの混合剤による土壌くん蒸処理の有効性も実証されている。産地により、病原ウイルス等の土壌密度を低減させるトマトとメロンの輪作体系も導入する(図2)。
  3. 促成キュウリ栽培の緑斑モザイク病対策では、感染株の早期発見・除去、収穫や摘心に用いる管理作業器具の消毒、圃場衛生管理に加え、作後に牛糞堆肥を導入して前作の植物残渣を腐熟する栽培体系が有効である。本体系は愛知県と宮崎県で実証されている。圃場の汚染程度が高い場合、生分解性ポット等による根圏保護定植技術も効果的である。
  4. ショウガ根茎腐敗病対策では、施設栽培において定植前のヨウ化メチル剤による土壌くん蒸と作後の太陽熱土壌消毒を組み合わせた防除体系が有効である。和歌山県では、本栽培体系で圃場の土壌中の病原菌密度を周年で低く保っている(図3)。
  5. 露地ショウガ栽培では、高知県と熊本県において、迅速な降雨排水処理を可能とする圃場の基盤整備、定植前のダゾメット粉粒剤等での土壌消毒および生育期間中の予防的薬剤処理を基盤とした栽培体系の有効性が実証されている(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:ピーマン・トウガラシ類、メロン、キュウリおよび露地・施設ショウガの生産者、当該品目を栽培する地域の普及センターおよびJA
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国の当該品目生産地域
  3. その他:各マニュアル(写真1)による栽培は、臭化メチル使用時に対し90%以上の収量が確保されるため経営が成立する(マニュアル参照)。他地域に転用する場合、冊子体および動画マニュアルを参考に現地の実情に合わせて微調整が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026723
カテゴリ きゅうり くり 経営管理 栽培技術 栽培体系 施設栽培 しょうが 抵抗性品種 とうがらし トマト 土壌くん蒸 土壌消毒 品種 ピーマン 防除 メロン 薬剤 輪作体系 連作障害

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