AM菌非宿主作物の後作・間作への緑肥導入による次作物の収量の改善

タイトル AM菌非宿主作物の後作・間作への緑肥導入による次作物の収量の改善
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2012
研究担当者 唐澤敏彦
建部雅子
発行年度 2012
要約 アーバスキュラー菌根菌(AM菌)と共生しない作物を栽培すると、次作物のAM菌感染、収量が低下する。非宿主であるキャベツ収穫後の緑肥(AM菌宿主)の導入、キャベツ栽培時の緑肥の間作により、次作物のAM菌感染、収量を高めることができる。
キーワード アーバスキュラー菌根菌(AM菌)、緑肥、後作、間作、キャベツ
背景・ねらい AM菌と共生しない作物(非宿主:アブラナ科、アカザ科、タデ科等)の作付けや裸地管理(休閑)により、絶対共生菌であるAM菌の密度が低下する。AM菌は、作物のリン吸収を促進する働きを持つことから、非宿主であるキャベツなどの跡地では、次作物(宿主)のAM菌感染、リン吸収、生育・収量が宿主跡地よりも劣る。 キャベツの次作物について、AM菌感染、生育・収量を改善するため、キャベツ収穫後にAM菌の宿主作物を後作緑肥として導入し、一度、減った土着AM菌を増やす方策を検討する。また、キャベツ収穫後すぐに次作物を栽培する場合には、間作緑肥を導入し、土着AM菌密度を低下させずにキャベツを栽培することができるか調べる。
成果の内容・特徴
  1. キャベツ収穫後に春まで裸地にする区(CA-FL)とヒマワリ(AM菌宿主の緑肥)を栽培する区(CA-SF)、また、夏まで裸地とした後にソバ(非宿主の緑肥)を栽培する区(FL-BW)とエンバク(宿主の緑肥)を栽培する区(FL-OT)を設け、翌年トウモロコシを栽培し、トウモロコシ(宿主)後(Maize)と比較する(表1)。すると、キャベツ後に緑肥を導入しない、あるいは、非宿主の緑肥を導入した場合に、トウモロコシのAM菌感染と収量が低い(図1)。一方、夏までキャベツ栽培あるいは裸地管理した区でも、その後AM菌宿主であるヒマワリやエンバクを緑肥として導入すると、土壌中のAM菌密度が高まり、翌年のトウモロコシのAM菌感染(図1)、リン吸収(データ略)、生育・収量(図1)が、宿主(トウモロコシ)後と同程度に高まる。
  2. キャベツ栽培区(CA)、キャベツにAM菌宿主のベッチ(CA+VT)、アカクローバ(CA+RC)、シロクローバ(CA+WC)を間作する区、アカクローバ栽培区(RC)、AM菌宿主のアズキ栽培区(AZ)で次作にコムギを栽培する(表2)と、キャベツのみの跡地では、アズキなどの宿主作物跡地に比べて収量が低い(図2)。一方、キャベツ栽培時にAM菌と共生する緑肥を間作すると、土壌中のAM菌密度が維持されるため、次のコムギのAM菌感染(図2)、リン吸収(データ略)、生育・収量が良くなる(図2)。
  3. 以上より、非宿主作物の栽培時に、時間的、空間的にAM菌宿主を緑肥として導入することで、土着AM菌密度が維持され、次作物の収量が宿主作物跡地並みに高くなる。
成果の活用面・留意点
  1. リン栄養を考慮した作付順序の決定、緑肥の種類の選定に活用できる。
  2. 緑肥の選定にあたっては、病害虫など、他の要因も考慮する。
  3. 本試験は、有効態リン酸が13-15mgP2O5/100g(北海道土壌診断基準値10-30mgP2O5/100gの範囲内)の北海道の黒ボク土圃場で行った結果である。キャベツ、トウモロコシには10kgP2O5/10aのリン酸を、コムギには7kgP2O5/10aのリン酸を施用している。
  4. 本試験では、有機物すき込み量の影響を低減するため、緑肥作物の地上部をすき込まずに圃場外に持ち出しているが、すき込んだ場合でも、同様の効果が期待できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026719
カテゴリ あぶらな 害虫 キャベツ そば とうもろこし 土壌診断 ひまわり

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