耕うん同時畝立て播種機汎用利用による平高畝を活用した麦-大豆作体系

タイトル 耕うん同時畝立て播種機汎用利用による平高畝を活用した麦-大豆作体系
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2011
研究担当者 関 正裕
塩谷幸治
大野智史
中山則和
池永幸子
細川 寿
青木政晴
大久保高典
中村一要
古川静子
発行年度 2012
要約 耕うん同時畝立て播種機による平高畝を用いた大麦条播-大豆の狭畦多条播体系では、収量は対照より水稲後大麦で2~3割、大麦後大豆で1~5割の増加が見込める。1俵あたり費用合計は現状平均より大麦は同等ないし約1割、大豆では2割ないし4割程度削減が可能である。
キーワード 土地利用率向上、麦・大豆利用、耕うん同時畝立て播種、収量増加、費用削減
背景・ねらい 土地利用率を向上させるため、水稲後大麦や麦後大豆の増収・安定化、作目間における収穫と播種などの作業競合の解消が重要な課題である。このため、湿害軽減技術である耕うん同時畝立て播種機を用いた、(1)播種作業の1工程化、(2)大麦-大豆での汎用利用、(3)麦後晩播大豆に狭畦多条播栽培の導入、による大麦-大豆の省力・低コスト作業体系について、北信越地域の大規模水田経営で実証試験を行い、利用体系や収量、労働時間、費用削減効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 新技術体系では、耕うん同時畝立て播種機により、同じ形状の平高畝を大麦-大豆作で利用することから、耕うん爪配列交換が省略できる。また、一工程播種のため適期播種が可能であり、アップカットロータリの高い砕土率により出芽・苗立ちも安定する。さらに、狭畦多条播により大麦後晩播においても生育量の早期確保が可能となり、中耕・培土作業も不要となる(図1)。
  2. 本播種機を導入する場合には、所有トラクタによる機種選定だけではなく、土壌の特性や生産者の要望に応じて適切な機種、オプション選択ができる(表1)。例えば、重粘な土では排水対策の溝が多い方がよく、作業幅1.6mが選択され、乾きやすい圃場で高能率をめざす場合は作業幅2.2mで畝形成板などオプションを加える(表1)。
  3. 各実証試験地において、平高畝による耕うん同時畝立て播種栽培は対照となる現地の慣行方法と比べ、大麦は融雪期の湿害軽減により2~3割程度、狭畦多条播大豆は、単位面積あたりの総節数や莢数が確保でき、1~5割程度増収する(図2)。
  4. 新技術の10aあたりの労働時間は、大麦では慣行とほぼ同程度、狭畦多条播大豆は中耕・培土作業の省略により5割以上の短縮になる。富山市の実証試験地区では、大豆の播種作業の合理化により、大麦の収穫作業に労力を回せることから大麦の作付面積拡大を可能にした。
  5. 新技術導入の1俵あたり費用合計は、生産費調査の現状平均に比較して大麦は同等ないし約1割、大豆で2割ないし4割の削減が可能である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:生育初期の湿害による収量低下や作目間の作業競合が問題となる北信越地域
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:2012年度大麦-大豆体系での導入実績は、富山県で2経営体5.5ha、長野県で5経営体31haである。富山県では主に麦後不作付地1~2割で、長野県では小麦・大麦-大豆体系未導入地の約2割で普及を目標。
  3. その他:(1)実証試験地の経営耕地は30ha以上である。(2)耕うん同時畝立て播種技術については2003、2006、2007年成果情報、輪作体系技術については「寒冷地2年3作における水田輪作体系マニュアル」(中央農業総合研究センター:2012年3月刊)を参照。(3)麦後大豆晩播狭畦多条播栽培を行う場合には、地域により品種、播種量の選択に留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026703
カテゴリ 大麦 経営管理 小麦 湿害 新技術導入 水田 水稲 大豆 低コスト 播種 品種 輪作体系

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