超多収資源作物エリアンサスの新品種候補「JES3」の育成

タイトル 超多収資源作物エリアンサスの新品種候補「JES3」の育成
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2011
研究担当者 我有 満
上床修弘
杉本 明
寺島義文
小林 真
安藤象太郎
高井智之
山下 浩
桂 真昭
波多野哲也
霍田真一
松波寿弥
発行年度 2011
要約 多年生のセルロース系資源作物エリアンサスの新系統「JES3」は、立型であるため、既存の飼料用収穫機により高効率に収穫できる。晩生であるため九州本土以北では結実に至らない。石垣市において種子生産が可能であり、これにより実生苗を供給する。
キーワード バイオマス、資源作物、エリアンサス、品種
背景・ねらい バイオマス原料の安定確保のためには資源作物の計画栽培が必要であり、その基盤として適草種の選定と品種開発および種苗供給技術の開発が必要である。エリアンサスは栽培系資源作物の有望草種であり(2008年度研究成果情報)、今後の利用が期待されている。そこで、エリアンサスの種苗供給を目的として新品種を開発する。育種のねらいは、雑草化を防止するため栽培地で結実に至らない晩生性を有すること、エリアンサスの多収性を経年維持すること、および機械収穫適性を向上させる立型の草姿とすることである。
成果の内容・特徴
  1. 「JES3」は、九州沖縄農研(熊本)において結実しない早晩性で立型の草姿の遺伝資源「JW4」を育種母材として、そのS1後代から立型で出穂の遅い1個体を選定して母株とし、これを自殖して得られた次代(S2)である。増殖に関しては母株を保存し、S2種子から実生苗を養成する。
  2. 「JES3」の1年目の乾物収量は、JIRCAS熱帯・島嶼研究拠点(石垣市)、九州研(合志市)、畜草研(那須塩原市)で10アール当たりそれぞれ830kg、560kg、159kgと低いが、2年目はりそれぞれ3,200kg、3,524kg、1,400kgと大きく増加する(図1)。畜草研(那須塩原市)および九州研(合志市)における越冬後の枯死株の発生は見られない(表1)ことから、北関東地域で栽培可能な越冬性を有していると判断される。
  3. 九州研(合志市)においては10月下旬以降に出穂が始まり(表1)、結実に至らない。また、畜草研(那須塩原市)においては、結実は確認されていない。
  4. 立型の草姿であり、機械収穫に適する(写真1、写真2、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. エリアンサスによるバイオマス原料生産の当面の需要に対応できる。活用場面としては、研究段階の標準規格としての利用、実証栽培試験あるいはパイロット事業等における原料生産に提供できる。
  2. 当面、国際農林水産業研究センター・熱帯・島嶼研究拠点(石垣市)において種子生産、九州沖縄農業研究センター(合志市)において実生苗養成を行い、種苗を供給する。
  3. 「JES3」の栽培に対し、九州沖縄農業研究センターを中心とする育成グループが栽培者に対して指導するとともに雑草化の有無等の周辺への影響をチェックする。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026623
カテゴリ 育種 遺伝資源 雑草 収穫機 飼料用作物 新品種 多収性 品種 品種開発

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