飼料トウモロコシ圃場でのフタテンチビヨコバイとヒメトビウンカの発生消長調査法

タイトル 飼料トウモロコシ圃場でのフタテンチビヨコバイとヒメトビウンカの発生消長調査法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2011
研究担当者 松倉啓一郎
松村正哉
吉田和弘
発行年度 2011
要約 飼料トウモロコシ圃場の地上40cmの位置に黄色粘着トラップを設置すると、フタテンチビヨコバイとヒメトビウンカを捕獲できる。本手法は既存の手法よりも捕獲効率が高く、これら害虫の発生消長調査に活用できる。
キーワード フタテンチビヨコバイ、ヒメトビウンカ、飼料トウモロコシ、発生消長、粘着トラップ
背景・ねらい フタテンチビヨコバイは飼料トウモロコシにおけるワラビー萎縮症発生の原因となる重要害虫である。また、ヒメトビウンカもトウモロコシのすじ萎縮病の原因となるイネ黒条萎縮ウイルスを媒介するほか、水稲の縞葉枯病の原因となるイネ縞葉枯ウイルスも媒介する重要害虫である。また、これら害虫は複数のイネ科植物種を寄主としており、飼料トウモロコシ圃場にも多数の個体が生息していると考えられる。しかし、飼料用トウモロコシは草丈が2m以上と高く、栽植密度も高いことから、捕虫網によるすくい取り法や吸引機による吸い取り法等の従来法では、飼料トウモロコシ圃場の害虫の発生消長を効率的に把握するのが困難である。そこで、本研究では飼料用トウモロコシ圃場における粘着トラップを利用した発生消長調査法の開発を試みる。
成果の内容・特徴
  1. フタテンチビヨコバイとヒメトビウンカは青色よりも黄色の粘着トラップ(商品名「ホリバー」、アリスタライフサイエンス株式会社)(26cm×10cm四方)に多く捕獲される(図1)。
  2. フタテンチビヨコバイは低い位置に設置したトラップにより多く捕獲される(表1)。一方、ヒメトビウンカ捕獲数に対する黄色粘着トラップの設置位置(粘着トラップの中心部の高さ)の影響は明瞭でない。
  3. 黄色粘着トラップを地上40cmに設置することにより、予察灯や吸い取り法よりも多くのフタテンチビヨコバイとヒメトビウンカを捕獲でき、それらの発生ピークも捕捉できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. フタテンチビヨコバイの発生予察に利用できる可能性がある。
  2. ヒメトビウンカの捕獲効率に対するトラップの設置位置の影響は今後検討する必要があるが、地上40cmに設置した場合(図3)でも従来の捕獲法よりも効率的に発生消長を把握可能であることから(図2)、この条件での利用は可能である。
  3. 水田・飼料トウモロコシ圃場混在地域におけるヒメトビウンカの周年発生生態の解明に利用できる可能性がある。
  4. 黄色粘着板にはアカスジカスミカメ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイも捕獲されるが、捕獲数が少ないため本手法による発生消長の把握は困難である。
  5. 粘着トラップに捕獲された昆虫は2週間程度で腐敗して同定が困難となるため、粘着トラップは1週間程度で交換するのが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026619
カテゴリ アカスジカスミカメ 萎縮病 害虫 縞葉枯病 飼料用作物 水田 とうもろこし ヒメトビウンカ

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