高温環境下の乳牛は分娩後に体内の酸化ストレスが増大する

タイトル 高温環境下の乳牛は分娩後に体内の酸化ストレスが増大する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2010~2011
研究担当者 田中正仁
神谷裕子
鈴木知之
野中最子
発行年度 2011
要約 暑熱下に分娩した乳牛は、血中のアスコルビン酸が減少し、チオバルビツール酸反応物(TBARS)が増加して体内の酸化ストレスが亢進している。分娩直後のTBARS濃度と肝機能の指標となる血中アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性には正の相関がある。
キーワード 乳牛、酸化ストレス、分娩、高温環境
背景・ねらい 環境温度の上昇による家畜の生産性低下を抑制するためには、高温環境に対する家畜の生理反応を詳細に解析する必要がある。特に分娩時には、分娩および泌乳開始にともなうストレスが二重に加わり、高温環境に対する感受性が増大すると考えられているが酸化ストレスを含む代謝変動の詳細については不明な点が多い。そこで、代謝負荷が大きくなる分娩時について、温暖化適応対策の一助となるよう、体内の酸化ストレスの変動および血中の酵素活性の変化について調べる。
成果の内容・特徴
  1. 環境の平均気温が26度、平均湿度が77%以上では、分娩前の乳牛の直腸温度が39℃以上に上昇し、分娩後にはさらに直腸温度が上昇する(表1)。
  2. 分娩前後において血中のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)活性に顕著な変化は見られないが、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性は、分娩後に顕著に増加する(表1)。
  3. 血中の抗酸化成分であるアスコルビン酸濃度は、分娩後に顕著な一過性の低下を示し、酸化生成物であるチオバルビツール酸反応物(TBARS)の濃度は持続的な増加を示す(表2)。
  4. 分娩直後の血中TBARS濃度は、肝機能障害の指標となる血中のAST活性と有意な正の相関関係にある(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏季分娩牛の生理、代謝変動に関する基礎的知見として活用できる。
  2. 夏季高温期の分娩牛において酸化ストレス低減対策強化などの飼養管理技術の改善に活用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026618
カテゴリ 飼育技術 乳牛

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