茎葉多収で中生の稲発酵粗飼料用水稲新品種「たちあやか」

タイトル 茎葉多収で中生の稲発酵粗飼料用水稲新品種「たちあやか」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2011
研究担当者 松下 景
石井卓朗
飯田修一
出田 収
春原嘉弘
前田英郎
発行年度 2011
要約 「たちあやか」は「たちすずか」と比較し出穂期が2週間程度早い「中生の早」であり、熟期の近い「ホシアオバ」と比較し牛に消化されやすい茎葉の割合が高く、糖含有率が高いため、稲発酵粗飼料専用の稲品種として適する。
キーワード イネ、飼料、稲発酵粗飼料、未消化籾、糖、中生
背景・ねらい 2009年に育成された稲発酵粗飼料専用の晩生品種「たちすずか」は、茎葉割合が高いことにより子実排泄による栄養分のロスが抑制され、TDN含量が高く、乳量を向上させる傾向が確認されている。またサイレージ発酵に必要な茎葉中の糖含有率が高く、重心が低いことにより耐倒伏性が強いことから稲発酵粗飼料生産現場から期待が寄せられている。

一方、現在「ホシアオバ」を中心とした早生~中生品種を利用している地域からは、子実多収型の「ホシアオバ」にかわる茎葉多収型品種の育成を要望する声がある。そこで、茎葉多収型で早晩性が「ホシアオバ」に近い稲発酵粗飼料用水稲品種を育成する。
成果の内容・特徴 「たちあやか」は「ホシアオバ」「たちすずか」と比較して、次の特性を示す。
  1. 「たちあやか」は「中国146号」(後の「ホシアオバ」)と「極短穂(00個選11)」との雑種第一代に「ホシアオバ」を二回戻し交配した後代に由来する粳種である(表1)。
  2. 早晩性は出穂期が「ホシアオバ」より3日程度遅く、「たちすずか」より16日程度早い“中生の早”である(表1)。
  3. 耐倒伏性は「ホシアオバ」より明らかに強く「たちすずか」並の“極強”である。また湛水直播での苗立ちは「ホシアオバ」「たちすずか」並であり、湛水直播栽培が可能である(表1)。
  4. 地際刈りでの全乾物重は「ホシアオバ」「たちすずか」よりやや少ない(表1)。
  5. 「ホシアオバ」より籾が大幅に少なく、もみわら比は「たちすずか」並である(表1)。
  6. サイレージ発酵に必要な糖の含有率が「ホシアオバ」より高く、「たちすずか」並である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は温暖地の中山間地域および平坦地である。晩生種の栽培が困難な中山間地域等では「ホシアオバ」に代わる基幹品種として、また平坦部においても大面積を抱えるコントラクター等では作期分散のために利用できる。これらの地域において、稲発酵粗飼料の安定生産と品質向上に貢献できる。
  2. いもち病に対しては何らかの真性抵抗性を有し通常は発病しないが、変異菌の出現により罹病化する可能性があるので注意し、発病を見た場合には必ず防除を行う。
  3. 縞葉枯病に罹病性であるため常発地帯では作付けしない。
  4. 籾の収量が低く種子生産の効率が低いため、採種栽培においては通常より広い面積が必要となる。
  5. 種子の入手及び増殖に関しては、育成機関に問い合わせる必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026594
カテゴリ いもち病 コントラクター 縞葉枯病 飼料用作物 新品種 直播栽培 水稲 中山間地域 抵抗性 品種 防除

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