東北地域におけるフェストロリウム品種「東北1号」の最適刈取り体系

タイトル 東北地域におけるフェストロリウム品種「東北1号」の最適刈取り体系
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2009
研究担当者 嶝野英子
魚住 順
金子 真
出口 新
発行年度 2011
要約 フェストロリウム品種「東北1号」の最適刈取り体系は1番草を出穂始めに、2番草を梅雨明け後に、3番草を10月上旬に刈取る体系である。この体系での年間TDN収量は約1t/10aで、3年程度は利用可能である。
キーワード 最適刈取り体系、TDN収量、「東北1号」、フェストロリウム
背景・ねらい 「東北1号」は国内初のフェストロリウム育成品種であり、東北地域において増加している排水不良な耕作放棄水田跡地への導入が期待される耐湿性の強い牧草である。しかし導入にあたっては牧草の栄養価に加え、年間を通した刈取り時期・間隔を明らかにし、最大栄養収量を得るための栽培利用体系を提示する必要がある。そこで最大栄養収量を得るための「東北1号」の最適刈取り体系および、そこから得られた飼料の栄養価を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 年間乾物収量の約50%を占める1番草サイレージのTDN含量は0.6ポイント/日の割合で低下するが、穂揃い期までは約60%の高水準を維持する。また、発酵品質はいずれの刈取り時期においてもV-スコアが95点以上で良好である(図1上)。1番草サイレージのTDN収量は穂ばらみ期を除いて0.6t/10a以上で、出穂始め期以降、大きな変化はない(図1下)。以上のことから、1番草の刈取り適期は出穂始め期~穂揃い期である。
  2. 2番草の刈取り時期は、再生草や年間のTDN収量に影響しない(図2)。したがって、2番草は収穫調製の作業性を考慮し、天候不順な梅雨を避け、梅雨明け後(盛岡では7月下旬頃)の刈取りが妥当である。
  3. 利用3年目の年間TDN収量については、1番草を出穂始め期で刈り取った方が3年目の収量低下が少なく、多収である(図3)。
  4. 以上のことから、フェストロリウム「東北1号」は1番草を出穂始め期に、2番草を東北地域の梅雨明け後(盛岡では7月下旬頃)に、3番草を収穫の晩限をめど(盛岡では10月上旬)に刈取る体系が最適である。この体系で刈取れば、利用3年目まではTDN含量が約60%の粗飼料をTDN収量で年間約1t/10a生産することができる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:畜産農家、飼料作生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積:北東北の中標高(概ね700m)以下、南東北の太平洋側および中標高地域、関東東山地域の中高標高地の転作田や飼料畑。普及予定面積は、東北地域の耕作放棄地・転作田約19万haの1%(1,900ha)と飼料畑・草地約400ha、関東東海地域で200ha、計2,500ha。
  3. その他:「東北1号」の種子販売は2013年度予定
    排水不良な耕作放棄水田での実証試験では、利用1年目の実乾物収量が1.3t/10aであった。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026582
カテゴリ 水田 耐湿性 品種

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