乳用種育成牛向け放牧草地の省力管理法

タイトル 乳用種育成牛向け放牧草地の省力管理法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2011
研究担当者 八木隆徳
高橋 俊
発行年度 2011
要約 ケンタッキーブルーグラス・シロクローバ混播草地は草丈10cm未満で放牧を開始し、年1回の施肥をスプリングフラッシュ後に行う管理により、定置放牧でも掃除刈りなしで、安定な植生と育成牛の日増体0.85kg以上を10年程度維持できる。
キーワード ケンタッキーブルーグラス、定置放牧、減肥、生産性、長期安定
背景・ねらい 育成牛向けの放牧草地では、一般的に輪換放牧し、余剰草処理のため採草や掃除刈り、もしくは放牧草の生産速度に合わせて放牧頭数を調整することが推奨されているが、実際には労力不足等のため確実に実施できない場面も多い。そこで本課題では放牧及び草地管理の省力化を追求し、「育成牛の定置放牧、掃除刈りなし、肥料削減、施肥回数年1回」という省力管理条件下での草地及び家畜の生産性を11年間の長期にわたり継続調査し、その実用性を評価する。
成果の内容・特徴
  1. スプリングフラッシュ時の余剰草の発生を軽減するため、季節生産性の平準なケンタッキーブルーグラス・シロクローバ混播草地を用いる。入牧は草丈10cm未満の時点で行い、入牧時の合計体重で1,000kg/ha程度の放牧強度とする。入牧時は草量不足を補うため、1−2週間程度乾草等を補給する。年間施肥量を慣行より減らし(2-3-4(N-P2O5-K2O)kg/10a)、スプリングフラッシュ後(6月下旬)に全量施用する。掃除刈りは行わない。
  2. 乳用種育成牛の定置放牧で、牧養力は448-592CD/ha、ヘクタールあたり増体は576-1,000kg/ha、平均日増体量は0.85-1.04kg/頭/日の家畜生産性が長期間安定して得られる(表1)。
  3. 土壌中の交換性カリウムや有効態リンの含量は基準値内で安定推移することから、施肥量はおおむね適切である。裸地の発生もほとんどなく、基幹牧草の被度が高い植生を長期間にわたり維持できる(図1)。また、牧草の年間再生草量は異常な気象の年(2008年、2010年)を除くと559-752gDW/㎡の範囲で安定している(図2)。
  4. シロクローバの混生(年間平均乾物重割合16%)により放牧草の栄養価が高まり、放牧家畜の日増体が0.2kg/頭/日以上改善するので、シロクローバの混播は必須である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:管理困難草地や傾斜地など省力管理せざるを得ない草地をもつ公共牧場等。
  2. 普及予定地域・普及予定面積:北海道全域および本州高標高地など寒地型牧草の栽培適地に適応できる。北海道および東北地方の公共牧場の総放牧地面積約57,000haのうち、1割の5,700haに普及可能である。
  3. その他:道県普及組織や試験研究機関からの問い合わせ多数。放牧強度や年間施肥量は現地の牧草生産水準に応じて調整する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026557
カテゴリ 寒地 傾斜地 さやいんげん 省力化 施肥

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