牛パピローマウイルスを効率的に検出するPCR法

タイトル 牛パピローマウイルスを効率的に検出するPCR法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2010~2011
研究担当者 畠間真一
石原涼子
上田靖子
菅野 徹
内田郁夫
発行年度 2011
要約 新たに開発したPCR法によって、牛乳頭腫症から様々な遺伝子型の牛パピローマウイルス(BPV)を効率的に検出することができる。本法は、BPVの遺伝子型別診断や新型ウイルスの探索を行う際に有用である。
キーワード 牛乳頭腫症、牛パピローマウイルス、遺伝子型別診断法、BPV-11、PCR
背景・ねらい 牛パピローマウイルス(BPV)が牛の体表皮膚に感染すると、乳頭腫と呼ばれる腫瘍が形成される。腫瘍の特徴や適切な治療、予防法は、原因ウイルスの遺伝子型によって異なることから、牛乳頭腫症を診断する際にBPVの遺伝子型を特定することが重要である。しかし、これまで遺伝子型別診断用に世界標準として用いられてきたPCRプライマー(FAP59/FAP64、MY09/MY11)はDNAの増幅効率が悪いため、病理組織学的に牛乳頭腫症と診断された病変から原因ウイルスを特定できないケースが多い。

本研究では、新たなPCRプライマーを設計し、これを用いることでより効率の良いBPV検出法を確立し、BPVの遺伝子型別診断に資することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. BPV L1遺伝子領域に設計したプライマーを表1に示す。subAup/subAdwはBPV-1やBPV-5の近縁ウイルス(δ-PV属とε-PV属)を、subBup/subBdwはBPV-3の近縁ウイルス(ξ-PV属)を検出するためのプライマーである。
  2. 最適化されたPCRの反応条件を図1に示す。
  3. PCRによって増幅されたDNAの塩基配列を決定し、データベースに登録済の配列と相同性検索をすることで、BPVの遺伝子型を特定することが可能である。野外材料を用いた試験によって、少なくともBPV-1~6、BPV-9、10の遺伝子型別診断ができることを確認済である(図2)。
  4. 今回開発したPCR法は、乳頭腫病変から新しい遺伝子型のBPVを分離、同定する手法としても有用である。本法を用いることで、わが国の牛からξ-PV属の新型ウイルス(BPV-11)や、さらなる新型ウイルスの候補(BPV/JPN-NIAH2、BPV/JPN-NIAH3)が見つかっている。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:PCR法の主な普及対象は、家畜保健衛生所である。その他に、臨床獣医師が牛乳頭腫症を診断する際や、研究者が調査・研究を行う際にも利用が見込まれる。
  2. 普及予定地・普及面積・普及台数等:牛乳頭腫症は全国的に流行していることから、普及範囲は全ての都道府県である。
  3. その他:既に北海道や東北、関東地方の家畜保健衛生所において利用されている。また海外からの問い合わせもあり、欧米やアジア各国の研究者によって利用されている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026483
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