寒玉系キャベツの加工品質に及ぼす収穫時期と貯蔵の影響

タイトル 寒玉系キャベツの加工品質に及ぼす収穫時期と貯蔵の影響
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2006~2011
研究担当者 永田雅靖
発行年度 2011
要約 2月に収穫し2か月間貯蔵したキャベツは、糖度やビタミンCが保たれるが歩留りは約6割に低下する。一方、4月まで栽培を延長したキャベツは、球重が約1.5倍になるが糖度とビタミンCが半減し、カットキャベツを作ると褐変しやすい。
キーワード 加工・業務用野菜、寒玉系キャベツ、貯蔵、品質、加工適性
背景・ねらい 加工・業務用野菜では、4~5月に寒玉系キャベツが不足することが供給上の重要な問題となっている。これまで、この時期の寒玉系キャベツは、抽台・裂球しやすいため、不足分は貯蔵品や輸入によって補われてきた。その対策として、4~5月に収穫できる品種や作型の開発が進められているが、キャベツの品質・加工適性に対する貯蔵や栽培期間の延長による影響は明らかではない。

そこで、寒玉系キャベツを2月に収穫して2か月間貯蔵した場合と、4月まで栽培を延長した場合の品質と加工適性について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 2月に収穫した寒玉系キャベツ(品種「彩音」)は、2か月貯蔵後の歩留りが約6割に低下するが、栽培を延長した場合には、球重が約1.5倍に増大する(図1)。
  2. 2か月間の貯蔵で、無包装区のビタミンCは、ほとんど減少せず、包装区でも減少量が小さい。一方で、4月まで栽培を延長した場合には、ビタミンCが半減する(図2)。
  3. 2か月間の貯蔵では、糖度はほとんど変化しないが、4月まで栽培を延長した場合には半減する(図3)。
  4. 2月に収穫し2か月間貯蔵したキャベツと4月まで栽培を延長したキャベツでカットキャベツを調製し、貯蔵3日後の褐変度を比較した場合、後者の方が褐変しやすい(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 上記は、野菜茶研(安濃)で、8月20日播種、9月10日定植のキャベツ品種「彩音」での結果であるが、同時に栽培した品種「秋徳」では、4月までに抽台や裂球が多発して収穫できなかったので、栽培する際には適切な品種を選ぶことが重要である。
  2. 4月に用いるカットキャベツの原料としては、2月に収穫して2か月間貯蔵したキャベツの方が糖度やビタミンC含量が高く褐変しにくいなど、4月まで栽培を延長したキャベツよりも品質成分や加工適性の点で適している。
  3. 一方、切断加工後、すぐに加熱調理加工する場合や、キャベツとしての甘味よりも食感を重視する用途であれば、キャベツの球が肥大して収量が増える分、4月に収穫したキャベツが適している。
  4. 食品加工業者等の実需者においては、同じキャベツ品種であっても、収穫時期や貯蔵期間によって品質や加工適性が異なることを理解した上で、用途によって材料を使い分けることにより、品質とコストを最適化した製品作りが可能となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026421
カテゴリ 加工 加工適性 キャベツ コスト 栽培技術 播種 品種

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