病虫害複合抵抗性の暖地向き早生緑茶用品種「なんめい」

タイトル 病虫害複合抵抗性の暖地向き早生緑茶用品種「なんめい」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 1992~2011
研究担当者 谷口郁也
吉田克志
萬屋 宏
根角厚司
荻野暁子
佐波哲次
発行年度 2011
要約 「なんめい」は、クワシロカイガラムシと輪斑病には「強」の、炭疽病には「中」の抵抗性を示す。摘採期は「さえみどり」と同等の早生で、収量は「やぶきた」、「さえみどり」より優れ、製茶品質は「さえみどり」と同等である。
キーワード チャ、 なんめい、クワシロカイガラムシ、輪斑病、炭疽病、早生
背景・ねらい 日本の茶栽培においてクワシロカイガラムシは重要害虫であり、輪斑病と炭疽病は重要病害である。茶栽培面積の約75%を占める「やぶきた」をはじめ国内で普及している主要な緑茶品種には、これら3病虫害全てに抵抗性の品種は無い。そこで、茶の有機栽培、減農薬栽培を促進することを目指し、3病虫害に抵抗性で高品質な新品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「なんめい」は、クワシロカイガラムシと輪斑病に抵抗性で樹勢が強い「さやまかおり」を種子親、製茶品質に優れる早生系統「枕崎13号」を花粉親として、1992年に交配したF1実生群の中から選抜された系統であり(図1、図2)、「さやまかおり」由来のクワシロカイガラムシ抵抗性遺伝子MSR1に連鎖したDNAマーカーを用いて選抜された初めての系統である。
  2. 「なんめい」のクワシロカイガラムシ抵抗性は「強」、付傷接種による輪斑病抵抗性は「強」であり、炭疽病拡大抵抗性は「中」である。赤焼病およびもち病抵抗性は「弱」である(表1)。
  3. 「なんめい」の一番茶における萌芽期と摘採期は、「さえみどり」と同等の早生である(表2)。
  4. 「なんめい」の収量は、「やぶきた」、「さえみどり」より優れ、新芽の葉色は濃緑である(図2)。一番茶の製茶品質は「やぶきた」より優れ(表2)、「さえみどり」と同等である。
  5. 「なんめい」の耐寒性は、赤枯れ抵抗性に関しては「やぶきた」よりやや劣り、「さえみどり」と同等である。また、裂傷型凍害には弱い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「なんめい」は、早生の病虫害複合抵抗性の品種候補であり、減農薬によるコスト削減、有機栽培による付加価値生産が期待される。
  2. 早生であるため、一番茶新芽の霜害リスクが高く、防霜対策が必要である。また、寒冷地での栽培には適さない。
  3. 梅雨等の連続降雨条件下では、炭疽病が発生することがあり、防除が必要となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026417
カテゴリ 害虫 コスト 新品種 耐寒性 炭疽病 抵抗性 抵抗性遺伝子 DNAマーカー 凍害 農薬 品種 防除

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