ソース・シンクバランス解析からみたオランダと日本のトマト品種間差異

タイトル ソース・シンクバランス解析からみたオランダと日本のトマト品種間差異
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究課題名
研究期間 2008~2011
研究担当者 鈴木克己
松田 怜
中野明正
東出忠桐
安東 赫
安場健一郎
高市益行
発行年度 2011
要約 CO2濃度が高い栽培条件において、オランダ品種トマト「ダンディ」の果実成長は葉の光合成産物を生産し送り出す能力に制限されるが、日本品種「桃太郎ヨーク」の果実成長は果実の光合成産物を受け取る能力に制限される。
キーワード 果実、ソース・シンク、トマト、葉、品種
背景・ねらい 品種特性は、わが国とオランダのトマトの収量差をもたらす要因の1つである。トマトの果実成長は、葉が光合成産物を生産し送り出す能力であるソース強度と、果実が光合成産物を受け取る能力であるシンク強度に影響を受ける。トマトの異なる品種について、そのどちらが収量を制限する要因であるかは明確になっていない。そこで日本で主に温室内で土耕栽培に使用される品種「桃太郎ヨーク」とオランダでCO2施用下の温室内で養液栽培に使用される品種「ダンディ」のソース・シンクバランス解析を行い、品種間差異を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 摘葉・摘果処理により、段階的にソース・シンクバランスが異なる状態をつくることができる(図1A)。純光合成速度(図1B)および光合成を律速する酵素ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase (Rubisco) 量(図1C)は、両品種とも摘葉・摘果処理によって影響を受けない。
  2. 両品種ともに、純同化率はソース/シンク比が大きくなると減少したが、これには葉面積指数の増加が伴っている(図1D)。
  3. 通常CO2濃度下では、両品種とも、果房あたり4果(ソース/シンク比が中程度)の場合の果実成長速度は、果房あたり1果(ソース/シンク比が大きい)の場合の果実成長速度より遅く、果実成長はソースにより制限されている(図2)。
  4. 高CO2濃度下(ソース/シンク比がさらに大きくなる条件)でも、「ダンディ」では果房あたり4果の場合の果実成長速度は果房あたり1果の場合より遅く、通常CO2濃度下と同じく、果実成長はソースにより制限されている(図2)。一方、「桃太郎ヨーク」では果房あたり4果の場合の果実成長速度は、果房あたり1果の場合より早くなり、果実成長がシンク強度によって制限されている(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 温室内での栽培制御技術開発と、高生産性の品種開発の基礎的知見として活用できる。
  2. 光合成速度や成長解析について、2009年5月から8月に温室でロックウール養液栽培したトマトを用いた。純光合成速度は完全展開葉の強光・通常CO2濃度下で測定した。果実成長について、通常条件(420ppm)と、高CO2条件(720ppm)の温室で、トマトを2009年9月から2010年3月まで栽培し、11月28日から12月22日の間に開花した果実 (第6-10果房) を用いた。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026413
カテゴリ 栽培条件 トマト 品種 品種開発 養液栽培

この記事は