交雑育種による超長命性カーネーション系統の育成

タイトル 交雑育種による超長命性カーネーション系統の育成
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 1992~2011
研究担当者 小野崎 隆
八木雅史
棚瀬幸司
柴田道夫
発行年度 2011
要約 花持ち性による選抜と交配を6回繰り返した第6世代の選抜系統532-6は、花持ち日数が約30日と対照品種の約5倍の非常に優れた花持ち性(超長命性)を示す。老化時のエチレン生成量が極めて少ないだけでなく、老化時に花弁外縁部の褐変化が起こらない。
キーワード カーネーション、エチレン生成量、花持ち性、超長命性
背景・ねらい 花持ち性は花きの重要形質の一つであり、消費者は花持ちの良い切り花を求めている。花き研ではこれまで、交雑育種によるカーネーションの花持ち性の改良が可能であることを明らかにし、2005年に遺伝的に花持ち性の優れる品種「ミラクルルージュ」、「ミラクルシンフォニー」を育成した。本成果情報では、花持ち性による選抜と交配を6回繰り返した第6世代において、選抜系統の花持ち日数、エチレン生成量等を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 第6世代選抜系統の花持ち日数は15.5~32.7日であり、対照品種「ホワイトシム」の2.6~5.4倍の優れた花持ち性を示す。特に、系統532-6の花持ち日数は、2007年の調査では32.7日、2008年の調査では27.8日であり、対照品種「ホワイトシム」の約5倍の非常に優れた花持ち性(超長命性)を示す(図1、表1)。
  2. 第6世代選抜系統5系統の老化時のエチレン生成量は、「ミラクルルージュ」、「ミラクルシンフォニー」よりさらに低下し、極めて微量である(図2A)。一方、エチレン処理後、ACC処理後のエチレン生成量には大きな品種・系統間差がみられる(図2B、C)。
  3. 超長命性系統532-6の老化時の花弁を観察すると、「ホワイトシム」等の通常品種でみられる花弁の急激な萎凋が起こらないだけでなく、花持ち性の優れる「ミラクルルージュ」等の老化症状である花弁外縁部の褐変化も起こらず(図1B)、花弁全体が水分、張りを失って観賞価値を失う特徴がある。
  4. 超長命性系統532-6の老化時のエチレン生成量は、「ミラクルルージュ」、「ミラクルシンフォニー」のそれぞれ25%、44%と、極めて低レベルであった(図2A)。エチレン感受性、並びに、エチレン処理後及びACC処理後のエチレン生成量は、「ミラクルルージュ」と同程度であり(表1、図2B、C)、その超長命性にはエチレン低生産性だけでなく、エチレン以外の要因の関与が示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. カーネーションの花持ち性育種において有用な情報となる。
  2. 第6世代選抜系統は、超長命性系統532-6以外にも、老化時のエチレン生成量は微量だが、エチレン処理後及びACC処理後エチレン生成量が「ホワイトシム」や「サンドローサ」並みに多い系統533-1、いずれのエチレン生成量も極めて低レベルの系統535-23、538-37など、様々な特徴を有する系統があり(図2)、花持ち性の育種素材やエチレン生合成系遺伝子研究の材料に使用可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026404
カテゴリ 育種 カーネーション 品種

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