ナシマルカイガラムシ歩行幼虫の発生量はフェロモントラップによる雄成虫誘殺数で推測できる

タイトル ナシマルカイガラムシ歩行幼虫の発生量はフェロモントラップによる雄成虫誘殺数で推測できる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2004~2009
研究担当者 新井朋徳
高梨祐明
柳沼勝彦
井原史雄
伊藤 伝
成田 治
豊島真吾
発行年度 2011
要約 ナシマルカイガラムシ歩行幼虫発生量は殺虫剤無散布条件下では指数関数的に増加する。年間の歩行幼虫発生量はフェロモントラップによる雄成虫誘殺数から推測できる。
キーワード ナシマルカイガラムシ、フェロモン、歩行幼虫、両面テープ、リンゴ
背景・ねらい 近年、リンゴでは減農薬栽培や有機栽培の試みが広がりつつあるが、農薬低減条件下ではナシマルカイガラムシが多発し、樹勢に影響が出るほど高密度に達する事例が生じている。しかし、本種は微少であるため発生の把握が難しく、その増加の過程も明らかでない。また、本種の発生量を把握するために粘着性の両面テープを用いた歩行幼虫の捕獲法があるが、調査期間が長く、虫体数の調査に実体顕微鏡を要するなど必ずしも容易ではない。そこで、本種の歩行幼虫発生数の経年変化を解明するとともに、フェロモントラップによる雄成虫捕獲数と歩行幼虫数との関係を明らかにし、フェロモントラップによる簡便な発生予測法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ナシマルカイガラムシ歩行幼虫の両面テープ(幅19mm、図1)による年間捕獲総数は殺虫剤無散布条件では指数関数的に増加する(図2)。テープ1mあたり10万匹を超えるときには樹の枯死が起こり始める(データ略)。
  2. 両面テープによるナシマルカイガラムシ歩行幼虫年間捕獲総数とフェロモントラップ(図1)による雄成虫の年間誘殺総数との間には回帰関係があり、その決定係数(R2)は大きい(図3)。
  3. 雄成虫の発生世代ごとの性フェロモントラップ誘殺数と両面テープで調べた年間歩行幼虫捕獲総数との間の決定係数も大きいことから、一つの世代期間でのフェロモントラップの調査でその年の両面テープによる歩行幼虫年間捕獲総数を推測できる(図3)。
  4. 雄成虫のフェロモントラップ誘殺数と歩行幼虫の両面テープ捕獲総数の関係、および歩行幼虫の年間捕獲総数の年次推移から、樹勢に影響が出るまでの期間を簡易に予測することができる。
成果の活用面・留意点
  1. 幼虫発生量と被害果率に関する関係は現時点では未解明である。
  2. 雄成虫のフェロモントラップ調査は、両面テープに捕獲された歩行幼虫の調査に比べ、調査期間が短く、虫体数の計測も容易で、簡便な調査手法といえる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026389
カテゴリ 性フェロモン 農薬 フェロモン りんご

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