柿ワイン残渣の投与による養殖アユの品質改善

タイトル 柿ワイン残渣の投与による養殖アユの品質改善
担当機関 岐阜県河川環境研究所
研究課題名
研究期間 2010~2010
研究担当者 桑田 知宣
加島 隆洋
山澤 広之
発行年度 2012
要約 柿ワイン残渣のアユ飼料への添加効果を評価した結果、30%以下の添加量であればアユの生残に悪影響を及ぼさないこと、その添加によって飼料効率が向上すること、添加飼料を与えたアユは内臓脂肪の量が低下して体色の黄色味が増すなど天然アユにより近い品質へと改善されることを確認した。しかし、食味の向上については期待どおりの投与効果を確認することが出来なかった。
背景・ねらい 柿ワインの製造工程で生じた残渣にはアユの品質改善を期待できる生理活性物質(ゼアキサンチン、 β-クリプトキサンチンなど)が多く含まれているため、その投与によってアユの品質を改善できる可能性がある。そこで柿ワイン残渣を投与したアユと非投与アユの品質および飼育成績を比較することによって、柿ワイン残渣の養殖アユへの投与効果を検討した。
成果の内容・特徴 柿ワイン残渣の添加によって飼料効率が向上すること、添加飼料を与えられたアユは内臓脂肪の量が低下して体色の黄色味が増すなど天然アユにより近い品質へと改善されることを確認した。
  1. 飼料効率の向上:柿ワイン残渣を10、20、30%(配合飼料に対する湿重量での割合)添加した飼料を与える試験区と無添加の市販配合飼料を与える対照区を設けて63日間の投与試験を行った結果、柿ワイン残渣の添加により飼料効率(増重量÷配合飼料給餌量×100)、蛋白質効率(増重量÷給餌した蛋白質量×100)が高まることを確認した(図1)。
  2. 内臓脂肪の低減効果:柿ワイン残渣を投与した試験区のアユと対照区のアユの内臓脂肪の量(体重比)を比較した結果、柿ワイン残渣の投与により内臓脂肪量が有意に低下することを確認した(図2)。
  3. 体色の改善効果:天然アユと養殖アユの体色を色彩色差計により測り、体側にある黄色斑や尾鰭の黄色味の違いを判別得点として評価する手法を開発し、柿ワイン残渣20%添加区のアユと対照区のアユの氷殺3時間後の体色を比較した結果、柿ワイン残渣の投与による有意な体色改善効果を確認した(図3)。
  4. 食味試験:柿ワイン残渣30%添加区のアユと対照区のアユの素焼きによる外観・食味を官能検査により比較した結果、素焼きの外観評価では、柿ワイン残渣投与区アユの方が対照区アユに対し良好な評価が多かったが、その差は有意ではなく、食感および風味についても、両区の素焼きアユの評価に有意差は認められなかった。
成果の活用面・留意点 飼料効率の向上、体色の改善、内臓脂肪の低減についてはいずれも試験レベルで再現性があることを確認している。量産規模での効果の検証が今後の課題である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026307
カテゴリ 飼料効率 良食味 ワイン

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