水産加工残渣からのセラミド大量調製技術開発

タイトル 水産加工残渣からのセラミド大量調製技術開発
担当機関 地方独立行政法人青森県産業技術センター
研究課題名
研究期間 2007~2010
研究担当者 石川 哲
松原 久
発行年度 2011
要約 ホタテガイ、イカ等の水産加工残渣等から、高付加価値素材であるセラミド及びその誘導体を加工現場において簡便に抽出・濃縮する技術、すなわち粗製セラミド含有脂質抽出技術を開発した。粗製セラミド含有脂質は、ボイル後、乾燥させた加工残渣をアセトン処理、エタノール抽出、ウィンタリング処理により、20%以上の濃度に調製でき、窒素中で低温保管することにより2.5ケ月以上品質保持が可能であった。
背景・ねらい セラミドは生体膜を構成する主要な脂質の1種で、スフィンゴシンとよばれる炭素鎖と脂肪酸がアミド結合したものである。皮膚に補うこと等によって保湿効果があるとされ、こんにゃくなどの植物や牛の脳からわずかに抽出されるだけであるため、希少で高価である。近年、セラミド誘導体のセラミドアミノエチルホスホン酸(以下CAEP)はアコヤガイ等の軟体動物から、多く抽出できることが明らかにされた。
青森県で大量に処分されるバイオマスであるホタテガイ軟体部残滓及びアメリカオオアカイカの皮等は、潜在的にセラミド抽出原料として有望であることから、これらを対象として現場での大量処理技術を開発することとした。
成果の内容・特徴 ホタテガイ軟体部残渣からはCAEPが抽出され、アメリカオオアカイカの皮からはCAEPと同じくセラミド誘導体のスフィンゴミエリン(以下Sph)が抽出された。これらの原料から、効率的に脂質を抽出するために、前処理としてボイル後、乾燥をおこなった。また、これらの原料は、目的とするセラミド誘導体以外にも多くの脂質を含むことから、90%エタノールによる抽出・回収に先立ち 、その他の脂質をアセトン処理によって抽出・分離する必要があった。エタノールで回収された脂質中のセラミド誘導体濃度は11%であり、目標濃度の20%を達成するため、ウィンタリングを行い、濃度を49%まで高めた。ウィンタリングは水分を20%以上に調整後、5倍量アセトンを添加し、-20℃の条件で1夜行った。
得られた粗製セラミド含有脂質は、空気中および窒素中の2区分において、-40℃から40℃までの温度帯で保存試験を行ったところ、窒素中で0℃以下では、2.5ヶ月間品質が安定していた。特にSphが安定していた。
成果の活用面・留意点 現在、大量に処分されているホタテガイ残渣やアメリカオオアカイカ皮から、高付加価値素材であるセラミドを簡便な方法で抽出し、有効利用を図ることにより、加工業の経営が安定するばかりでなく、ゼロエミッション化、セラミドを利用した美容と健康の推進が期待できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026229
カテゴリ 加工 乾燥 経営管理 高付加価値 こんにゃく 品質保持

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