アカガイの効率的な分殖法の開発

タイトル アカガイの効率的な分殖法の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 水産工学研究所
研究課題名
研究期間 2010~2010
研究担当者 高木儀昌
大村智宏
伏屋玲子
田丸 修
発行年度 2011
要約 アカガイを大量に養殖する場合、種苗を養殖用のカゴやコンテナに小分けする必要があり、この作業に係る人手及び時間が、効率悪化の原因となっている。この小分け作業(分殖)に、アコヤガイで実施されている、貝の自発的移動、分散手法の適用性を検討した。さらに種苗生産段階から養殖形態に適合する種苗の付着基質と付着量をコントロールすることで、作業のさらなる効率化が図られることが確認された。
背景・ねらい アカガイなどの二枚貝類で生計が成り立つ量(目安として10万貝)を養殖する場合、種苗を養殖用のカゴやコンテナ等の容器に、適正量(10個から20個)に小分けする必要がある。この作業に係る人手、時間が、養殖初期段階における効率悪化の原因となっている。この小分け作業(分殖)に人手を掛けない、効率の良い作業法を開発することで、収益性の改善を目的とした。
成果の内容・特徴
  1. アカガイをアコヤガイで用いられている採苗基質を用いて種苗生産し、種苗が付着する基質に人工スギ葉(通称:ブラックリーフ)を重ねて、同一のカゴに入れることで、貝が自発的に移動分散することが確認され、アコヤガイで開発された分殖技術の適用性が確認された。また、採苗基質として、カキ殻、ロープ、遮光ネットを利用した場合にも、同様の効果が確認され、養殖形態に合わせた基質の選択も可能であることが判った。
  2. 種苗生産時からカキ殻、ロープ、遮光ネットを用いて、カキ殻1枚、ロープ単位長さ当たりの付着数を、1カゴ当たりの適正量にコントロールし、養殖カゴに初期段階から収容することで、貝の平均的な成長と生残率の向上が見込めることが確認された。
  3. ホームセンターで購入できる稲の育苗箱と農業資材である野菜袋を組み合わせた安価なカゴ、及び陶器の粉砕殻を利用した養殖基質を使用することで、起業初期コストの大幅な軽減、採算性、利益率及び作業性の向上が見込める可能性が見出せた。
成果の活用面・留意点 養殖形態を考慮した種苗生産法及び採苗基質の利用により、効率の良い養殖に転換でき、生産量の拡大、事業を発展させる可能性が出てきた。また、起業の課題となる、カゴ、基質などの養殖初期のコストを大幅に軽減できることが確認され、新たな養殖参入者の拡大に寄与できるものと期待している。
本研究は、あくまで養殖初期段階におけるコスト、作業の効率向上を目的としたもので、現段階は出荷までの養殖システム全体が完成している状況とはなっていないことを留意して、本成果を活用してもらいたい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026219
カテゴリ 育苗 くり コスト 出荷調整

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