高知県黒潮町地先におけるウニ類除去による藻場の再生とその有効期間

タイトル 高知県黒潮町地先におけるウニ類除去による藻場の再生とその有効期間
担当機関 高知県水産試験場
研究課題名
研究期間 2002~2010
研究担当者 田井野清也
発行年度 2011
要約 平成14年にウニ類除去を実施した試験区(1ha)において、その後8年間追跡調査を継続し、ウニ類除去の有効性を実証した。さらに、当該海域ではカジメ大型藻体の急激な減少は魚類食害の影響が大きく、ホンダワラ類やカジメの新規加入個体の減少はウニ類生息量の増加によるものと考えられ、ウニ類除去の有効期間は5年程度であることを明らかにした。
背景・ねらい 一般に「磯焼け」と総称される大型海藻の衰退現象が全国の沿岸海域で進行している。現在、磯焼け状態から海藻群落を形成させるために各地で様々な取り組みがなされており、高知県においても平成14年度からウニ類除去による藻場の再生を試みている。本研究では、ウニ類除去後の海藻群落の遷移状況とウニ類の再侵入状況を継続的に調査し、ウニ類除去の効果及び効果の持続期間等を明らかにした。
成果の内容・特徴 高知県幡多郡黒潮町上川口地先において、平成14年12月に1haの試験区を設けてウニ類除去を実施した。その結果、約1年後にホンダワラ類の群落が広範囲に形成され、3年間同様の状態で推移したのち、4年後の平成19年頃にはホンダワラ類からカジメへ優占種の交代が見られた。一方、5年後からは試験区内のウニ類生息密度が上昇傾向に転じ、ホンダワラ類やカジメの新規加入個体が減少した。さらに、6年後には魚類の食害でカジメ群落が大きく衰退した。追跡調査の結果から、カジメ大型藻体の急激な減少は魚類食害の影響が大きく、ホンダワラ類やカジメの新規加入個体の減少はウニ類生息量の増加によるものと考えられた。これらのことから、平成14年除去区でのウニ類除去の有効期間は5年程度であり、遅くともウニ類生息密度が増加傾向に転じた平成19年頃に再除去の必要があったと考えられた。
成果の活用面・留意点 平成21年度から環境・生態系保全活動支援事業が開始され、各地で漁業者による磯焼け対策が実施されている。本研究の成果を基に各地先に適応した藻場再生手法を提案し、漁業生産の基礎となる沿岸域の藻場の再生を目指す。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026171
カテゴリ 藻場再生

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