近海かつお一本釣漁業における漁場予測技術の開発

タイトル 近海かつお一本釣漁業における漁場予測技術の開発
担当機関 宮崎県水産試験場
研究課題名
研究期間 2006~2010
研究担当者 中村充志
溝口幸一郎
大村英二
発行年度 2011
要約
  1. かつお一本釣漁業のQRY情報をデータベース化し、人工衛星データ等海況情報と照合解析し、漁場予測技術を開発。
  2. QRYデータの追加による予測可能海域拡大、海況要因の追加による予測絞り込みを実施。
  3. 改良により東北東沖における北上期の漁場予測的中率は、期間平均で4割程度まで向上したが、まだ不安定。調査船の来遊資源調査における探索能力は大幅に向上。
背景・ねらい 基幹漁業であるかつお一本釣漁業の漁場予測技術を開発することは、燃油代の節減等操業の効率化につながり、また、来遊資源調査を主要業務とする調査船みやざき丸の資源探索能力を向上させることにもなる。そこで過去に収集された漁況資料を基に、漁場推定技術の開発と実証試験を行った。
成果の内容・特徴
  1. かつお一本釣漁業における漁況資料として、平成12~18年までのQRY(竿釣船間無線漁況情報)をデータベース化(N=30,375)し、漁場形成に関わる海況要因として、海面水温、海面高偏差及び海面塩分を使用し、各漁獲日とその位置に対応するデータを抽出した。解析対象海域を、5度区画の海区に分け、月毎に漁場が形成される海況要因の範囲を特定し、漁場予測パラメータとして、これを用いた漁場予測システムを構築した(図1)。
  2. 予測精度向上のため、毎年QRY情報を追加し、平成22年には128,902件となった(図2)。これにより、カツオの漁場予測が可能な海域(パラメータ設定可能海域)は、当初の65区画月(5度桝目単位)から100区画月と約1.5倍に増えた(図3)。一方、ビンナガにおいても、QRY情報は16,192件となり、予測可能海域は29区画となった(図4)。また、海況要因として、海面高度から算出した流向流速データや50m層推定水温を追加適用することで、予測の絞り込みが可能であることを確認した。
  3. システムを用いて漁場推定を行い、日々の予測範囲と業界船が実際に操業したQRYデータを照合して、予測範囲内に入ったQRYの割合を予測的中率として検証した。カツオでは、東北東沖漁場の北上期である4~7月において、各種改良により平成20年漁期には期間平均で約4割まで的中率が向上したが、平成21、22年は来遊資源量の低迷や漁場形成に不適な海況特性が原因と考えられる的中率低下が生じた(図5)。しかし、調査船による予測検証を兼ねた来遊資源調査では、システムを活用した調査航路決定の手法が確立し、魚群情報発信の頻度や期間が着実に増加する等、探索能力の向上が見られている(図6)。
成果の活用面・留意点 予測範囲(面積)の絞り込みは、条件によっては予測的中率の低下につながることから、今後は条件に応じたパラメータの多様化や重み付け予測の検討等、より実用的な漁場予測技術の構築に向けて改良を進めていく。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010026169
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